ほしぞら情報2012年10月
目次
東京の星空(2012年10月中旬午後8時頃)

10月
4日 | 木星が留 |
8日 | 下弦 / 体育の日 / 寒露(太陽黄経195度)
この頃10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)が極大 |
15日 | 新月 |
22日 | 上弦 |
23日 | 霜降(太陽黄経210度) |
25日 | 土星が合 |
27日 | 水星が東方最大離角 |
30日 | 満月 |
惑星
- 水星
- 日の入り直後の西の低空に姿を現しています。27日に東方最大離角となりますが、日の入り時の高度が10度以下なので、観望は難しいでしょう。
- 金星
- 日の出前の東の空で、明けの明星として輝いています。明るさはマイナス4.1等~マイナス4.0等。3日~4日には、しし座の1等星レグルスに接近して見えます。
- 火星
- 日の入り直後の南西の低空に見えます。明るさは1.2等。てんびん座からさそり座、へびつかい座へと移動していきます。中旬にはさそり座の1等星アンタレスの近くに見えます。
- 木星
- 21時頃東の空に見え始め、夜明け前には南の空高く輝きます。おうし座の1等星アルデバランの近くにあり、明るさはマイナス2.5等~マイナス2.7等。
- 土星
- おとめ座にあり、明るさは0.7等~0.6等。見かけの位置が太陽に近く、観望には適し ません。
参照:暦計算室ウェブサイト
- 「今日のほしぞら」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます
- 「こよみ用語解説」の「天象」の項では、最大離角、衝、合、留などの惑星現象の用語について解説しています
トピックス
夕方の南西の空で赤い星が競演

日の入り直後の南西の低空には、火星が見えています。火星の近くにはさそり座の1等星アンタレスも見えます。火星もアンタレスも赤い星です。この時期は火星が1.2等、アンタレスが1等と、アンタレスの方が少しばかり明るいのですが、ほぼ同じぐらいの明るさで赤さを競い合っているように見えます。アンタレスは、火星の敵(アンチ・アーレス)の意味です。
10月上旬には火星はさそり座の西側にありますが、10月中旬にかけてアンタレスに近づいていきます。10月18日にはこの2つの赤い星の近くに細い月が見え、低空ながら美しい光景となります。
10月下旬にかけて火星は東の方へと移動し(順行)、徐々にアンタレスから離れていきます。
明け方の東の空で金星とレグルスが接近

日の出前の東の空では、明けの明星・金星がひときわ明るく輝いています。そして、金星のすぐ近くに、しし座の1等星レグルスが見えます。この時期は金星がマイナス4.1等と、金星の方が1.3等のレグルスよりもかなり明るく見えます。
10月3日~4日には、金星がレグルスにとても近づきます。最も近づいた時には2つの星は見かけ上、月の視直径(見かけの大きさ)の4分の1くらいまで近づいたように見えます。
2つの星が最も近づくのは10月3日17時なので、残念ながら最接近の様子は観察することはできません。しかし、この日前後は双眼鏡や低倍率の望遠鏡を使うと、同じ視野の中に金星とレグルスを見ることができるので、ぜひ観察してみてください。翌日以降、金星は東の方へと移動し、レグルスから急激に離れていきます。

月と木星が接近

21時頃になると東の空には木星が見え始めます。木星の近くには、オレンジ色に輝くおうし座の1等星アルデバランが見えます。
10月5日夜~6日未明にかけて、木星とアルデバランの間に半月よりややふっくらした月が加わり、美しい眺めとなります。真夜中頃でも十分観察できますが、早起きしてきらびやかな冬の星座や、東の低空にある金星と一緒に観察するのもお勧めです。
翌日以降、月は細くなりながら冬の星座の間を抜けて東の方へと移動していき、10月12日~13日には金星の近くで輝きます。その頃金星は、すっかりレグルスから離れてしまっています。