国立天文台フェロー
自然科学研究機構国立天文台では、自立した極めて優秀な若手研究者を対象とする国立天文台フェロー(以下、NAOJフェロー)という職員採用制度を設けています。
このポストは、以下のような特色があります。
- 業務がなく、研究者自らが計画する研究・開発に専念
- 原則5年という契約期間のため、長期にわたる研究計画に基づき卓越した研究を進めることができる
- 研究費を年間100万円配分
- 科学研究費助成事業の応募資格がある
国立天文台において天文学研究のフロンティアを切り開き、その分野で国際的にリードするという意欲的な若手研究者をお待ちしています。
令和7(2025)年度国立天文台フェロー(年俸制職員 特任助教の公募)
募集概要
- 募集人数
- 若干名/年
- 専門分野
- 天文学、天文観測装置開発および関連分野
- 職務内容
- 応募書類の研究計画に拠る
- 応募資格
- 博士の学位を取得した者又は着任日までに取得見込みの者
- 勤務地
- 国立天文台の三鷹(東京都三鷹市大沢)、水沢(岩手県奥州市水沢星ガ丘町)、野辺山(長野県南佐久郡南牧村野辺山)、岡山(岡山県浅口市鴨方町)、神岡(岐阜県飛騨市神岡町)、石垣(沖縄県石垣市)、ハワイ(アメリカ合衆国ハワイ州ヒロ)、チリ(チリ共和国サンティアゴ)のいずれか
- 契約期間
- 原則として着任日より5年間
日本国外での研究経験奨励のための採用日先送りの特例について
若手研究者が日本国外での研究経験を積むことを奨励するため、国立天文台フェローに採用内定した方について、以下の条件を全て満たし、かつ適当と認められたときは、特例として、国立天文台フェローの採用日の着任時期を当初予定より遅らせることができる場合があります(着任時期を遅らせた場合は、契約期間が調整されます)。なお、本特例の適用可否は、審議の上で決定されますので、以下の条件を満たしたとしても、必ずしも認められるものではないことを予めご了承ください。
- 日本国外での研究経験のない方
- 日本で博士号を取得された方
- 日本国外での研究経験(博士課程を含む)が通算2年以下の方
- 日本学術振興会海外特別研究員、国際競争力強化研究員(CPD)、もしくは海外機関から契約期間が概ね2年から3年の研究員の内定を以下の条件のもと受けた方
- 応募した国立天文台フェローの応募締切日から翌年2月末日までに採用内定を受けた場合
- 採用開始時期が応募した国立天文台フェローの応募締切日から翌年10月までのもの
本制度が適用された場合、国立天文台フェローの着任時期と契約期間は以下のように設定されます。
着任時期:上記研究員の期間が終了する直前の4月1日もしくは10月1日となります。
契約期間:5年-N年+1年(N=上記研究員として活動した期間。但し、国立天文台フェロー応募締切日の翌年4月1日以前に活動を開始した場合は、4月1日から上記研究員の期間が終了する直前の3月31日もしくは9月30日までとします) - 日本国外での研究経験のない方
- 採用審査過程(予定)
- 公募期間:7月上旬から8月上旬
書類選考:8月上旬から9月下旬
面接:10月中旬
採用決定:11月
採用時の勤務条件等
- 職員区分
- 年俸制職員
- 職名
- 特任助教
- 所属部門
- 受入教員の所属するプロジェクト、センター、研究部
- 給与等
- 年俸額660万円(年俸額の12分の1を月額支給)および通勤手当(ただし要件有り)
- 勤務形態
- 裁量労働制 午前8時30分から午後5時15分(休憩60分)を基本とする
- 休日
- 毎週土、日曜日、国民の祝日、年末年始(12月29日から翌年1月3日)
- 休暇
- 年次休暇20日、他夏季休暇、慶弔等(すべて有給)
- 保険
- 文部科学省共済組合(健康保険)、厚生年金保険、雇用保険、労災保険
- 赴任旅費
- 支給(ただし、要件有り)
- 海外勤務の場合
- 米国ハワイ州外よりハワイ観測所(ハワイ州ヒロ)に着任する場合、またはチリ共和国外よりチリ観測所(サンティアゴ)に着任する場合は、上記の年俸の他に手当が支給されます。
ハワイ観測所(ハワイ州ヒロ)に着任する場合は、ハワイ大学研究公社(RCUH)による雇用となります。給与・手当は、米ドルにて支給されます。
フェロー後のキャリア
NAOJフェローの転出先

分類 | 人数 |
---|---|
国公私立大学及びその附置研究所 | 10 |
独立行政法人・大学共同利用機関法人等の国内研究機関 | 11 |
民間企業 | 2 |
海外の大学・研究機関等 | 1 |
その他 | 1 |
転出先の例:東京大学、京都大学、愛媛大学、大阪大学、東京工業大学、岐阜大学、国立天文台、アストロバイオロジーセンター、宇宙航空研究開発機構
NAOJフェロー退職後のポジション

分類 | 人数 |
---|---|
教授・准教授(任期付きや年俸制を含む) | 5 |
助教(任期付きや年俸制を含む) | 11 |
研究員・ポスドク等(常勤及び非常勤) | 7 |
大学等の講師(常勤及び非常勤) | 0 |
その他の研究・教育関連職 | 0 |
その他 | 2 |
採用実績
採用年度 | 氏名 | 所属プロジェクト |
---|---|---|
2023 | 大橋 聡史 | アルマプロジェクト |
田川 寛通 | 科学研究部 | |
柏野 大地 | 科学研究部 | |
2022 | 鳥羽 儀樹 | ハワイ観測所 |
千秋 元 | 科学研究部 | |
小久保 充 | 科学研究部 | |
2021 | 谷口 琴美 | 科学研究部 |
長倉 洋樹 | 科学研究部 | |
Arzoumanian, Doris | 科学研究部 | |
2020 | 但木 謙一 | アルマプロジェクト |
佐野 栄俊 | 科学研究部 | |
2019 | 杉山 尚徳 | 科学研究部 |
髙棹 真介 | 科学研究部 | |
Benomar, Othman Michel | 太陽観測科学プロジェクト | |
2018 | 嶋川 里澄 | ハワイ観測所 |
鈴木 昭宏 | 理論研究部 | |
2017 | 泉 拓磨 | ハワイ観測所 |
片岡 章雅 | 理論研究部 | |
Hull, Charles L H (Chat) | チリ観測所 | |
白崎 正人 | 理論研究部 | |
2016 | 林 将央 | ハワイ観測所 |
岡本 丈典 | チリ観測所 | |
荻原 正博 | 理論研究部 | |
守屋 尭 | 理論研究部 |
(注1)2016年以降の実績
(注2)所属プロジェクト名は採用当時のもの