講演1
星形成研究の最前線:星は今でも生まれている 中村文隆(国立天文台・総合研究大学院大学 准教授)
太陽のような恒星は今でも宇宙空間のどこかで誕生しています。星の誕生過程は電波望遠鏡や赤外線望遠鏡の発達とともに、近年、劇的に理解が進んできました。さらに、最近では、スーパーコンピュータの高性能化により、コンピュータシミュレーションを用いてコンピュータ内に作られた宇宙空間で星の誕生する過程を自在に再現できるようにまでなってきました。本講演では、そのような最新の研究成果によって明らかにされた星の誕生過程について、理論および観測の両面から紹介します。特に、最近の研究から、銀河系の大半の星は集団(星団)で誕生することが分かってきました。そのような星団が誕生する過程にも焦点を当てて解説します。
講演2
壮絶な星の最期 -超新星爆発- 田中雅臣(国立天文台 助教)
いつも変わらず輝いて見える星も、長い年月をかけて生きており、いずれ寿命を迎えます。その星々の中には、大爆発を起こし、明るく輝いてその一生を終えるものがあります。この大爆発が「超新星爆発」です。ほとんど水素とヘリウムしかない状態で始まった私たちの宇宙は、多数の超新星爆発によって、現在のように様々な元素に満ちた姿となりました。このような重要な役割を果たす一方で、超新星爆発には未だ多くの謎が残されており、現代天文学の一大研究テーマとなっています。超新星爆発をめぐる最新の研究成果を交えながら、壮絶な星の最期に迫ります。
【場所】すばる棟 大セミナー室