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すばる望遠鏡と太陽観測衛星「ひので」搭載0.5メートル可視光太陽望遠鏡が「重要科学技術史資料」に登録

すばる望遠鏡と太陽観測衛星「ひので」
(左)すばる望遠鏡。(クレジット:土橋一仁/国立天文台)(右)太陽観測衛星「ひので」。(クレジット:NAOJ/JAXA)

国立天文台が運用するすばる望遠鏡と太陽観測衛星「ひので」搭載0.5メートル可視光太陽望遠鏡が、国立科学博物館の2025年度「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」に登録されました。

すばる望遠鏡は、ハワイ島マウナケア山頂域に設置された大型光学赤外線望遠鏡です。主鏡は単一鏡としては世界最大級の8.2メートルの口径を誇ります。すばる望遠鏡が作られた20世紀末、日米欧は8メートル級望遠鏡の開発を競ってきました。当時、日本にはこの規模の大型望遠鏡建設の経験がほとんどありませんでしたが、電波望遠鏡や衛星通信の技術などを駆使し、開発に成功しました。日本が初めて海外に設置した大型光学赤外望遠鏡です。運用開始から最遠方の銀河の発見記録を再三塗り替えるなど、世界を驚かせる天文学上の成果を上げ続けています。

太陽観測衛星「ひので」は2006年に打ち上げられた、可視光、極端紫外線、軟X線の異なる3波長を観測する国産初の本格的宇宙望遠鏡です。今回登録されたのは、この「ひので」に搭載された口径0.5メートル可視光望遠鏡で、すばる望遠鏡に採用された17の主要技術のうち9点を適用して開発されました。無重力状態を模擬した世界初の光学性能評価方法は、その後の衛星搭載光学機器の開発にも継承されています。望遠鏡としては小口径ながら理論的限界値である0.2秒角の分解能を達成し、太陽の磁場構造や太陽フレアの観測などで成果を上げています。

国立科学博物館では、「科学技術の発達上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの」や「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたもの」に該当する資料を「重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)」として登録しています。

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