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宮﨑聡教授が日本学士院賞を受賞

このたび、国立天文台ハワイ観測所長を務める宮﨑聡(みやざき さとし)教授が、日本学士院賞を受賞しました。対象となった研究課題は「重力レンズ効果を用いた宇宙論研究の開拓推進」で、共同研究者である千葉大学先進科学センターの大栗真宗(おおぐり まさむね)教授と共同の受賞となりました。
暗黒物質や暗黒エネルギーの実態の解明は、21世紀の物理学および宇宙論の大きな課題です。宮﨑教授は、すばる望遠鏡に搭載する超広視野主焦点カメラHyper Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム)の開発を進め、暗黒物質の分布を精密に観測する大規模な観測計画を主導すると共に、その画像データを整備して公開しました。さらに、暗黒物質の重力レンズ効果で生じる遠方銀河の画像のかすかなゆがみの解析から、暗黒物質の分布を求めることができることを実証して、研究の道筋を立てました。また大栗教授は、これらの大規模な観測データから、暗黒物質の3次元の空間分布とその数十億年にわたる時間進化を読み解くなど、多くの具体的な成果を挙げました。
両氏の研究は、暗黒物質の研究に新しい広がりをもたらしたことから、今回の受賞となりました。