自然科学研究機構 国立天文台

2020年ノーベル物理学賞をブラックホール研究の3氏が受賞

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イベント・ホライズン・テレスコープで撮影された、銀河M87中心の巨大ブラックホールシャドウ
Credit: EHT Collaboration

2020年ノーベル物理学賞の受賞者が、ブラックホール研究の進展に貢献した欧米の研究者3氏に決定しました。

ブラックホールの理論研究に貢献した英国・オックスフォード大学のRoger Penrose(ロジャー・ペンローズ)氏、天の川銀河中心の超巨大ブラックホールの観測研究に貢献したドイツのマックス・プランク地球外物理学研究所のReinhard Genzel(ラインハルト・ゲンツェル)氏、および米国・カリフォルニア大学のAndrea Ghez(アンドレア・ゲッズ)氏です。Ghez氏の主要な業績である、天の川銀河中心にある超巨大ブラックホールの重力の影響を示した論文(注)では、すばる望遠鏡が取得したデータも使用されています。3氏の受賞をお祝いいたします。

(注)2019年に米国の科学雑誌『サイエンス』に掲載されたGhez氏らによる論文(Do et al. ” Relativistic redshift of the star S0-2 orbiting the Galactic Center supermassive black hole”本文へ戻る

国立天文台の本間希樹(ほんま まれき)教授のコメント

今回ブラックホールに関して先駆的な研究成果を上げた3名の研究者がノーベル物理学賞を受賞しました。同じくブラックホールに関わる研究者として心からお祝い申し上げます。今回の受賞は、ブラックホール研究の科学的な重要性が改めて認められたものであり、我々の今後の研究に向けても大きな励みになります。特に、Genzel氏、Ghez氏らが行ってきた天の川銀河中心のブラックホールの存在確認は、我々EHTプロジェクトがブラックホールの撮影を目指すきっかけともなった重要なものです。そのような中で、昨年のEHTによるブラックホールの撮影成功が、今回の先人たちのノーベル物理学賞受賞の後押しをしたのであれば、それもたいへん喜ばしく思います。

常田 佐久 国立天文台長のコメント(10月8日追記)

ブラックホールに関する研究業績で、3名の先生方に2020年ノーベル物理学賞が授与されるとの報に接し、心からお祝いいたします。日本でも以前からブラックホール研究が活発に進められてきました。1990年代に野辺山宇宙電波観測所では、M106銀河の中心にあるガスが予想外に高速回転していることを捉えて超大質量ブラックホールの存在を実証するなど、特筆すべき成果があります。今後も国立天文台は、天文学のさまざまな分野で先進的な研究を推進していく所存です。

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