• 研究成果

生まれたての惑星たちはふわふわ―4つの若い惑星の質量を正確に決定―

若い恒星を公転する4つの惑星の想像図
若い恒星を公転する4つの惑星の想像図。ふわふわの大気が宇宙空間に流出しているかもしれない。(クレジット:アストロバイオロジーセンター) 画像(1.9MB)

若い恒星を公転する4つの惑星を長期にわたり観測した結果、これらの半径が地球の5ないし10倍と大きな惑星であるにもかかわらず、質量は地球の5ないし15倍程度しかなく、非常に低密度であることが明らかになりました。この発見は、生まれたての若い惑星の外層の大気は大きく膨らんでいて、時間とともにその大気を失いながら収縮して小型の惑星へと進化していくという理論的予測を、初めて観測的に裏付けるものです。

これまでに発見されてきた太陽系外惑星は、半径が地球と同じか4倍程度の小型の惑星が最も多く、これらは天の川銀河で最もありふれた「一般的な」惑星と言えます。しかし、こういった惑星が生まれたばかりの頃はどのような姿であったか、どのようにして現在の姿になっていったか、はこれまで分かっていませんでした。

アストロバイオロジーセンター、国立天文台、東京大学などの研究者から成る国際研究チームは、年齢がおよそ2000万年と推定される若い恒星「おうし座V1298星」を周回する4つの惑星に着目しました。これらは、惑星が恒星の手前を通る時にその光を遮る「トランジット」という現象を使って発見されました。恒星の光が遮られるタイミングは、惑星間の重力の影響で変動します。研究チームは、長期間の観測データから、この変動を解析して惑星の正確な質量の測定に成功しました。また、トランジットによる恒星の明るさの変化からは惑星の半径を測定できました。その結果、4つの惑星は地球の5ないし10倍程度と半径が大きいにもかかわらず、質量が地球の5ないし15倍程度しかなく、非常に低密度であることが分かりました。つまり、天の川銀河で最も一般的な惑星とされる小型の惑星は、生まれたての時にはふわふわだったことが明らかになったのです。

若い惑星は大きく膨らんでいて非常に低密度であると、理論的に予測されていましたが、実際に生まれたての惑星の半径と質量を正確に測定して観測的に裏付けたのは今回が初めてです。この観測成果は、生まれたばかりの小型の惑星がどのような姿であったかを明らかにしたという点で大きな意義があります。

この4つの惑星は現在、惑星内部の温度が下がり、それとともに大気の一部が宇宙空間に流出して質量を失い、半径が収縮している最中にあると考えられます。これは若い惑星の質量や半径、大気に、大きな変化が起こる「進化」の様子を見ていることに相当します。今後のさらなる追観測は、惑星の進化の理論を観測によって検証し、より洗練させていく重要な研究となるでしょう。

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アストロバイオロジーセンター

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