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2025年10月の星空情報

著者近影三上真世、伊藤博則(国立天文台 天文情報センター)

10月の宵の空では、夏の大三角が西に傾き、代わって南から東の空に秋の星座が出そろいます。季節の移ろいを感じながら、星空を見上げてみましょう。

2025年の中秋の名月は10月6日。翌7日が満月です。中秋の名月は、太陰太陽暦の8月15日の月を指し、必ずしも満月と一致するとは限りません。今年は名月と満月の日付が1日ずれています。名月の近くには土星が輝いていますので、お月見の際にはぜひ探してみてください。

10月13日の深夜から14日の明け方にかけては、東の空で下弦の月と木星が並び、明るい木星と月の共演を楽しめます。19日と20日の明け方には、東の低い空で金星に細い月が寄り添います。空が明るくなって見つけづらいかもしれませんが、東の地平線までひらけた場所で探してみるとよいでしょう。

10月の月の暦

7日:満月 14日:下弦 21日:新月 30日:上弦

(三上)

映像制作スタッフおススメ現象ピックアップ「編集卓から思い出す、中秋の名月 」

今月のおススメは「中秋の名月」。
今年は10月6日、満月は翌7日と1日ずれます。

編集卓で映像をつないでいると、ふと幼い日の記憶がよみがえります。月見の宵、祖父が東の玄関を大きく開け放ち、座敷で団子を恭しく三方に載せていた姿。そして「今日は、きゅうの何日だ」とつぶやいていた声。意味も知らず聞き流していたけれど、今になって旧暦(太陰太陽暦)の名残だったと分かります。

祖父の育った大正、昭和のはじめには、今の暦が広まっても旧暦の感覚がまだ暮らしに息づいていたのでしょう。いま私たちが「名月」と呼んで月を愛(め)でる習慣も、その延長にあるのだと思います。

(伊藤)

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