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国立天文台が撮影した2025年9月8日未明の皆既月食

2025年9月8日未明、月が地球の影に覆われる皆既月食が起こりました。国立天文台天文情報センターとしては、今回の皆既月食に関する公式な記録撮影は計画していませんでしたが、職員の中には私的に撮影に挑戦した者がいました。この記事では、職員から提供された写真を中心に、今回の月食の様子をご紹介します。
望遠鏡で撮影した皆既月食
まず、望遠鏡で捉えた月食を紹介します。望遠鏡の直焦点で撮影した写真は、月面の明るさや色の変化の様子を克明に記録していました。今回の皆既食は、皆既中の月が予想以上に暗くなったという印象を皆が一様に受けたようです。フランスの天文学者ダンジョンが20世紀初頭に整理した「ダンジョンの尺度(スケール)」では、2「赤もしくは赤茶けた暗い食」(5段階中の中央)か、それよりも少し暗かったのかもしれません。



風景とともに撮影した皆既月食
景勝地に遠征し、月食と風景の撮影を試みた職員もいました。月食と風景のコラボレーションをお楽しみください。



番外編
石垣島天文台で自動撮影された月食写真をご紹介します。石垣島天文台には天の川モニターという定点カメラがあり、3分ごとに南の空を撮影しています。9月7日夜から8日未明、先島諸島はあいにくの天候だったようですが、石垣島天文台の天の川モニターには時折雲の隙間から顔をのぞかせる皆既月食が写っていました。

次回、日本全国で見られる皆既月食は2026年3月3日
次に日本全国で見られる皆既月食は、半年後の2026年3月3日(火曜日)の午後8時4分から午後9時3分に東の空で起こります。今回は日曜日深夜から月曜日早朝にかけての時間帯だったので、就寝していた方も多かったのではないでしょうか。次回は観察しやすい時間帯なので、ぜひ東の空を見上げてみてください。次の皆既月食もぜひお楽しみください。