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2025年8月の星空情報

著者近影三上真世、伊藤博則(国立天文台 天文情報センター)

2025年8月の星空情報です。

8月1日から7日は「スター・ウィーク」。星空に親しむための全国キャンペーンです。この時期は、夏の星座や天の川、そして流れ星との出会いが待っています。

12日の深夜から13日未明にかけて、三大流星群のひとつ「ペルセウス座流星群」が見ごろを迎えます。月明かりがありますが、それに負けない明るい流星も流れるはず。空を広く見渡せる場所で、ぜひ流れ星を見つけてみてください。

春から、夜明け前の東の空で輝いている金星が、11日から13日の未明に木星と接近します。マイナス4等の金星と、マイナス1.9等の木星が接近して輝く様子は、目を引くでしょう。

明け方の東の空には、金星、木星、水星が並びます。特に19日頃は水星を見つけるチャンス。空が白みはじめる前の静かな時間に出かけてみるのも、夏の素敵な思い出になるかもしれません。

太陰太陽暦の7月7日にちなんだ日(注)を、国立天文台では「伝統的七夕」の日としています。今年は8月29日です。上弦近い月が沈むと、天の川が天高く流れる、昔の七夕と同じ夜空が広がります。

  • (注)二十四節気の処暑(しょしょ=太陽黄経が150度になる瞬間)を含む日かそれよりも前で、処暑に最も近い朔(さく=新月)の瞬間を含む日から数えて7日目。

8月の月の暦

1日:上弦 9日:満月 16日:下弦 23日:新月 31日:上弦

(三上)

映像制作スタッフおススメ現象ピックアップ「七夕の夜は、やり直しがきく」

編集作業で、伝統的七夕の映像を扱ううち、幼い記憶がよみがえった。
七夕飾りを自作したくて、工作好きだった僕は、一人で山へ竹を採りに行った。
あぜ道に細い竹を見つけ、両手で握り、背筋に力を込めて引き抜こうとした。
海老反りになったその反動で手が滑り、背面跳びのポーズのまま田んぼにダイブ。
ぬるい泥に浸かり、空を見上げた。誰もいなかった。風だけが通り過ぎた。

七夕飾りは諦めたが、大人になって「伝統的七夕」の存在を知った。
2025年は8月29日。幾世もの人々が星を見上げてきた、本来の七夕の夜だ。
やり直しは、あとから、ちゃんとやってくる。
七夕祭りは終わっていても、空を見上げるなら、この夜がいちばんのおすすめ。

(伊藤)

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