自然科学研究機構 国立天文台

カシオペヤ座の新星、肉眼等級にまで増光中

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鳥取市さじアストロパーク(鳥取県鳥取市)で撮影された新星「カシオペヤ座 V1405」の画像
鳥取市さじアストロパーク(鳥取県鳥取市)で撮影された新星「カシオペヤ座 V1405」の画像。撮影時刻:2021年5月10日午前2時53分50秒(日本時間)(クレジット:鳥取市さじアストロパーク・織部隆明)

先日、三重県亀山市の中村祐二(なかむら ゆうじ)さんが、3月18日夜に、カシオペヤ座の方向に新星を発見したニュースをお伝えしました(2021年3月19日トピックス)。このカシオペヤ座新星には、後に「カシオペヤ座 V1405」という変光星名が付けられています。この新星が現在、暗い夜空の下であれば肉眼でも確認可能なくらいの、5等級台の明るさにまで増光しているようです。

2021年5月11日付けの天文電報中央局の電子回報(CBET 4963)によると、ポーランドのチームによる観測で、5月9日夜の時点での新星の明るさは5.3等級だったということです。中村さんによる発見時の明るさが9.6等級でしたから、2カ月足らずで4等級以上明るくなっていることになります。

突発的な天体現象が専門の国立天文台 山岡均准教授は、「肉眼で見えるほど明るい新星は数年に1度しか現れません。さらに、これほどゆっくりと明るくなる新星も珍しいもので、今後の明るさの推移が注目されます。また、電波やガンマ線など、さまざまな波長での観測がたいへん期待されます」と話しています。

この新星は、京都大学岡山天文台「せいめい望遠鏡」などによる発見直後の分光観測から、極大光度に達する前の古典新星であることが分かっていて、その後も明るさの変化が注目されていました。これからさらに明るくなる可能性も考えられます。これからの変化も楽しみです。

参照

文:小野智子(国立天文台 天文情報センター)