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さまざまなアンテナ
アルマ望遠鏡は、合計66台のアンテナからなる観測システムです。実は、すべてが同じアンテナではなく、いくつかの種類のアンテナから構成されています。
まずアンテナの大きさを見ると、口径12メートルのアンテナが54台、7メートルのアンテナが12台あります。12メートルアンテナの内50台は、北米と欧州が製造を担当しました。日本は、4台の12メートルアンテナと12台の7メートルアンテナを製造しています。日本製のアンテナ16台は密集して設置され「アタカマコンパクトアレイ(ACA、愛称モリタアレイ)」(注)を構成しています。
(注)日本が開発した16台のアンテナ群と受信機、相関器からなるシステム全体の名称
展開する干渉計
アンテナ間の距離(基線長)を大きくすることで、解像度を上げることができるのが電波干渉計の特徴です(「解像度と電波干渉計」)。北米と欧州が製造した50台の12メートルアンテナは、アルマ望遠鏡の高解像度を支えています。アンテナは、移動用専用車両(トランスポーター)によって配置を変更され、最大基線長150メートルまで密集させた最もコンパクトな配列から、16キロメートルに展開した最大の配列まで、10パターンのアンテナ配列を切り替えながら運用されます。これによって解像度は2桁も変わります。天体の広がりに合わせて観測できる、ズームレンズのようなシステムなのです。
密集する干渉計
広いアンテナ間隔では非常に高い解像度を得られますが、大きく広がった天体には不向きです。そこで活躍しているのが、日本が製造した「アタカマコンパクトアレイ」です。12メートルアンテナ同士では近づけられない距離で密集した7メートルアンテナ群が、広がった天体の観測能力を高めています。7メートルアンテナとは言え、衝突を避けるためアンテナは9メートル間隔で配置されています。そこで、4台の12メートルアンテナを加えています。これらは干渉計として組み合わせるのではなく独立した1枚の鏡面として天体電波の総強度を測定し(トータルパワーアレイ)、7メートルアンテナ干渉計のデータと統合されます。
これらの異なる特徴を持ったアンテナ群が、アルマ望遠鏡のオールマイティな性能を実現しています。
12メートルアンテナの見分け方
アルマ望遠鏡には、合計で54台の12メートルアンテナがあり、北米・欧州・日本が分担して製造しました。完成した望遠鏡が共通した性能を発揮するように、(1) 高い鏡面精度(理想的な放物面からの誤差の小ささ)、(2)高い指向精度、(3)高速駆動性能(向きを変える速度と安定性)などの厳しい性能要求が設定され、部材や構造などそれぞれ異なる工夫を凝らして完成させました。その結果、外観のスタイルも少しずつ違っています。パラボラアンテナの上に飛び出した副鏡ステイ(支柱)の形を見ると、見分けやすいでしょう。
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公開日:2026年8月28日