国立天文台 メールニュース
No.159(2016年4月14日発行) 天文学者による出張授業「ふれあい天文学」 他
_____________________________________________________________________ 国立天文台 メールニュース No.159 (2016年4月14日発行) _____________________________________________________________________ 国立天文台のイベントや研究成果、注目したい天文現象や新天体発見情報 などを、メールでお届けする不定期発行のニュースです。 どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。 ----------------------------------------------------------- もくじ ■天文学者による出張授業「ふれあい天文学」 ■教育関係団体のための施設案内週間[野辺山] ■宮崎氏が日本天文学会林忠四郎賞を受賞 ■田中氏が日本天文学会研究奨励賞を受賞 ----------------------------------------------------------- ■天文学者による出張授業「ふれあい天文学」 国立天文台は、多くの小中学生に天文学に興味や親しみを持っていただくこ とを目的に、天文学者が全国各地の小学校・中学校に出向いて授業を行う事業 「ふれあい天文学」を2010年度より毎年実施してきました。これまでの6年間 で、「ふれあい天文学」を通じて天文や宇宙の授業を受けた児童・生徒の皆さ んの数は、全国で3万名を超えます。 2016年度も引き続きこの「ふれあい天文学」を実施します。現在参加校を募 集中です。対象となる授業の実施期間は2016年10月から2017年2月下旬、募集 数は約50校の予定です。応募の締め切りは2016年5月31日です。応募方法等の 詳細についてはウェブサイトをご覧ください。 理科の授業の一環として、校内のイベントの一つとして、あなたの学校に天 文学者を呼んでみませんか。 なお、この事業は、国立天文台天文学振興募金に寄せられた多くの皆様から のご厚意により成り立っています。今後の事業継続のため、皆様のご理解とご 協力をお待ちしております。 ▽出張授業「ふれあい天文学」実施校募集中 http://www.nao.ac.jp/news/topics/2016/20160408-fureai.html ▽ふれあい天文学 http://prc.nao.ac.jp/delivery/fureai.html ▽天文学振興募金 http://www.nao.ac.jp/bokin/ ■教育関係団体のための施設案内週間[野辺山] 国立天文台野辺山は、教育関係団体を対象とした夏休み期間中の「施設案内 週間」を2013年より設けています。観測業務に支障のない範囲で施設案内を実 施し、観測所内の最先端の観測装置や最新の研究成果を、職員の案内の下に見 学していただきます。今年度の実施期間は、7月25日から7月29日の5日間です。 ご希望の方は実施の1週間前までのお申し込みが必要です。 詳しくは、国立天文台野辺山のウェブサイトをご覧ください。 ▽教育関係団体のための施設案内週間2016 (国立天文台野辺山) http://www.nro.nao.ac.jp/visit/guideweek2016.html ■宮崎氏が日本天文学会林忠四郎賞を受賞 このたび、国立天文台先端技術センターの宮崎聡 (みやざきさとし) 准教授 が、2015年度日本天文学会林忠四郎賞を受賞しました。受賞対象となった研究 は「すばる望遠鏡用広視野カメラの開発と、それを用いた観測的宇宙論の推進」 です。 宮崎氏は、すばる望遠鏡に搭載されている主焦点カメラ (Suprime-Cam、 シュプリーム・カム) および超広視野主焦点カメラ (Hyper Suprime-Cam、 ハイパー・シュプリーム・カム、以下 HSC) の開発チームリーダーを務め、 それらを用いて弱重力レンズ効果からダークマター分布を求める観測研究を推 進してきました。HSCは、国立天文台が中心となり、国内外の研究機関や民間 企業と共同で開発を行ってきた超広視野でかつ超高解像度のカメラで、HSCを 搭載したすばる望遠鏡を用いて数億個の銀河の重力レンズ効果を測定する大規 模な観測プログラムが現在進行中です。この観測からダークマターの分布を調 べ、宇宙膨張の歴史に迫ります。 日本天文学会林忠四郎賞は、日本天文学会による表彰制度で、幅広い分野か ら天文学関連の独創的な学術研究に対して授与されます。林忠四郎 (はやし ちゅうしろう) 会員 (故人) に京都賞が授与されたことを記念し、1996年度に 創設されました。 宮崎氏をはじめとするHSC開発チームは、2015年に「平成27年度 科学技術分 野の文部科学大臣表彰」を受賞しています。 ▽公益社団法人 日本天文学会 http://www.asj.or.jp/ ▽HSC 開発チームに平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 http://subarutelescope.org/Topics/2015/04/22/j_index.html ▽すばる望遠鏡 Hyper Suprime-Cam が描き出した最初のダークマター地図 http://www.subarutelescope.org/Pressrelease/2015/07/01/j_index.html ■田中氏が日本天文学会研究奨励賞を受賞 このたび、国立天文台理論研究部の田中雅臣 (たなかまさおみ) 助教が、 2015年度日本天文学会研究奨励賞を受賞しました。受賞対象となった研究は 「重力波天体の電磁波放射に関する研究」です。 重力波の直接検出により本格的になろうとしている重力波天文学を見据え、 重力波源である連星中性子星の合体に伴う電磁波放射のようすをシミュレー ションにより明らかにした研究成果が評価されました。この成果は、重力波検 出後にどのような電磁波観測を行うべきかの指針となるもので、重力波天文学 と電磁波天文学が連携した「マルチメッセンジャー天文学」の発展に大きく貢 献するものです。 日本天文学会研究奨励賞は、1988年度に創設された日本天文学会による表彰 制度で、優れた研究成果を挙げている若手天文学者を表彰するものです。 ▽公益社団法人 日本天文学会 http://www.asj.or.jp/ ▽田中雅臣助教が2015年度日本天文学会研究奨励賞を受賞 http://th.nao.ac.jp/news/tanaka_201603.html _____________________________________________________________________ 発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室 発行日:2016年4月14日 _____________________________________________________________________