国立天文台 メールニュース

No.73 (2012年3月27日発行) 日本最古の星野写真の発見、ほか

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    国立天文台 メールニュース No.73  (2012年3月27日発行)
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 などを、メールでお届けする不定期発行のニュースです。
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もくじ
■日本最古の星野写真の発見
■国立天文台三鷹 定例観望会のご案内[三鷹]
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■日本最古の星野写真の発見

 国立天文台天文情報センターは、旧東京帝国大学東京天文台時代の19世紀末
から20世紀初めに、麻布飯倉 (現在の東京都港区麻布台) で撮影されたと思わ
れる星野写真 (せいやしゃしん、注1) 乾板 (注2) 437枚について、その整理と
調査を行ってきました。
 このたび、調査の過程で1899年3月5日撮影の写真乾板を発見し、これが観測
記録が確認できる最も古い乾板であることがわかりました。この乾板は、東京
天文台で撮影された星野写真の中で最も古いものであり、日本最古の星野写真
であると言えます。
 このほか、日本で初めて撮影された小惑星の写真乾板やオリオン星雲 (M42) 
が撮影された写真乾板も見つかりました。中には、2夜にわたり7時間以上の露
出をかけて17.3等級もの暗い星が写し込まれた写真乾板もあり、当時の東京都
心の夜空がたいへん暗かったことが推測できます。
 19世紀末から20世紀初めは、これまで暦編纂 (へんさん) をおもな目的とし
て行われてきた天体の位置観測から、天体物理学観測へと変革を遂げる黎明 
(れいめい) 期であり、これらの写真乾板は日本における近代の観測天文学の
発展を理解する上でたいへん貴重な資料です。

 注1:夜空の星を撮影した写真のこと

 注2:ガラス板に銀塩の感光乳剤を塗布したもの。撮影後に現像処理を行うこ
   とでモノクロ写真となる

 ▽日本最古の星野写真の発見
  http://www.nao.ac.jp/releaselist/archive/20120316-old-plate/


■国立天文台三鷹 定例観望会のご案内[三鷹]

 国立天文台三鷹地区では、1996年より、50センチ公開望遠鏡を使った定例観
望会を毎月2回実施してきました。この観望会では、惑星や星団、二重星など、
その時々に見やすい天体を皆さんにご覧いただいています。
 2012年4月より、この定例観望会へのご参加を事前申し込み制とさせていただ
きます。参加のお申し込みは、各開催日毎にインターネットまたは往復はがき
で先着順に受け付けます。各回の定員は300名で、定員に達し次第お申し込みを
締め切ります。
 2012年4月以降の開催日程と観望天体、お申し込み方法等の詳細については、
国立天文台定例観望会のウェブサイトをご覧ください。

 ▽国立天文台 定例観望会
  http://www.nao.ac.jp/about/mtk/StarGazing/index.html


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発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室
発行日:2012年3月27日

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