自然科学研究機構 国立天文台

去りゆく冬――三鷹にて

星景写真・

去りゆく冬――三鷹にて

春遠からじ――南中を過ぎて、やや西に傾き始めた冬の大三角。国立天文台三鷹キャンパスのグラウンドの上に広がる、冬の星座たちを写した一枚です。 手前に見えているドームは、口径50センチメートルの「50センチ公開望遠鏡」。国立天文台では、毎月2回、この望遠鏡を使用して定例観望会を開催しています。普段は小惑星や彗星などの観測に従事して研究にも活躍しつつ、ひと時宇宙の光に目を凝らす体験を一般の皆様にも提供している、開かれた望遠鏡です。

写真中央にオリオン座が見えています。横に並んだ三ツ星をはさんで、上方に赤いベテルギウス、下方に白いリゲル、色の好対照な2つの一等星が輝く星の並びが目印です。神話の狩人のベルトにあたる三ツ星の下には、オリオンが腰から提げる剣のように、縦に並んだ“小三ツ星”も写っています。 オリオンの右肩にあたるベテルギウスから、東側(写真左)に向かって、全天で一番明るい恒星であるおおいぬ座のシリウス(下方)とこいぬ座のプロキオン(上方)をつなぐ大きな三角形が「冬の大三角」。一方、西側には、この年はおうし座で輝いていた木星の巨光が、赤色巨星アルデバランと若い星団すばる(プレアデス星団)の間で存在感を放っています。

(文:内藤誠一郎(国立天文台 天文情報センター))