自然科学研究機構 国立天文台

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天文分野之図

貴重書・

天文分野之図

分野図は、星と地名を関連付けた星図です。この星の付近で流れ星があるとこの地方で何かあるという風に、中国で国家や王の運命を占う一種の星占いに用いられました。もとは中国の地名が記されていたものに、渋川春海が日本の国土を当てはめて作った星図が天文分野之図です。星図を囲む縁(ふち)を見ると、「伊勢」や「九州」の文字が見えます。

空は青、天の川は無地、二十八宿の星座には赤が使われています。

天文分野之図を作成した渋川春海は、初めて日本独自の暦、貞享暦を作成した人物です。

日本では800年以上にわたって宣明暦が用いられてきましたが、1673年(延宝元年)に渋川春海が改暦を上奏しました。1684年(貞享元年)に貞享暦へ改暦されるまでの間、1677年(延宝5年)に「天文分野之図」は作成されています。なお、改暦の後、渋川春海は初の天文方として幕府に採用されましたので、国立天文台の祖とも言えます。

「天文分野之図」は地名を日本のものにしただけで、星座は中国で作られたものだけになります。1698年(元禄11年)に出された「天文瓊統」では春海が作った新しい星座が追加されています。1699年(元禄12年)に息子の保井昔尹の名で出された「天文成象」の中の星図で、それらは広く紹介されました。