自然科学研究機構 国立天文台

木星のリング

天体写真・

木星のリング

ボイジャー1号が木星に届くまで、木星のリングは発見されていませんでした。なぜならば、リングは薄く暗いだけではなくて、まぶしい木星から散乱される光が観測を邪魔するためです。地球上の望遠鏡による観測はほとんど不可能ですが、国立天文台のすばる望遠鏡はこの困難に打ち勝って、この写真を撮影しました。

木星からの光が地球の大気と観測装置のレンズで散乱され、惑星の周りに赤い光として広がっています。右下にある赤い線はテーベという木星の衛星(J XIV)の画像です。写真を撮影するのに掛かった13分の間にテーベが動いたために、伸びて、線のように写りました。

土星のリングの主要な材質は水の氷です。一方で木星のリングはダストから成り立っています。この疑似カラーの赤外線写真で、水の氷を観測するフィルターのデータは青で描かれています。リングには青い成分がほとんどありません。

昔、彗星か小惑星あるいは今は消えてしまった衛星が土星に近づき過ぎた時、土星の強い重力で引き裂かれて、リングになったと思われています。他方、木星のリングのダストは、小さい隕石が木星の衛星とぶつかった時に飛び出した物だと考えられています。

(文:ランドック・ラムゼイ)