質問10-9)
指定した場所と日時からそのときの明るさはわかる?
太陽、月、大気光(注)からの光で地上がどのくらいの明るさで照らされているかは、理論的に計算することができます。国立天文台にお問い合わせをいただいた場合には、それを「地上照度」(単位はルクス)としてお答えしています。国立天文台がお答えする地上照度は、快晴で周りに何もないとして計算しており、その時の天候や、周りの地形、建築物の有無、人工的な灯火の有無は考慮されていません。
しかし、実際の屋外の地上照度は、天候や山、樹木、建物、人工的な灯火の影響で大きく変化するため、地上照度の理論的な計算値とは大きく異なる可能性があります。特に夜間の市街地の地上照度は、人工的な灯火の影響が大きいと考えられます。
また、別の日に地上照度の値が同じになる時刻を知りたいという場合、日の出・日の入りの前後や月の出・月の入りの前後では、地上照度の値が秒単位で変化するため、同じ地上照度になる時間がほんの一瞬しかないことがあります。加えて、地上照度が同じになる時間が1日に何度も現れることがある一方、そのような瞬間が何日間も訪れないということもあります。
(注) 全天にわたって見られる弱い背景光。夜間の大気光は夜光あるいは夜天光とも呼ばれます。
地上照度と見え方の関係
人間の目は、明るいところにいた後、すぐに暗いところへ行くと、しばらくの間、周りの物が見えにくくなります。しかし、時間が経って目が慣れてくれば、周りの物が徐々に識別できるようになってきます。暗いところに慣れる時間には個人差があり、明るさと人間の視力に関する実験などは国立天文台ではおこなっておりません。このため、「○○ルクスの地上照度で人の顔が判別できるか?」といったようなご質問に対する確実な回答はありません。