質問1-4
1年のうちで、日の出、日の入が一番早い日(遅い日) はいつ?
夏至の日は、1年のうちで昼間が一番長い日、また、冬至の日は、1年のうちで昼間が一番短い日ですね。
しかし、昼間が一番長い日に、日の出がもっとも早く、日の入がもっとも遅くなるわけではありません。同様に、昼間が一番短い日に、日の出がもっとも遅く、日の入がもっとも早くなるわけでもないのです。日本では、日の出がもっとも早い日は、夏至より1週間ほど早く、日の入がもっとも遅い日は夏至より1週間ほど後になります。冬至に関しても、日の出がもっとも遅い日は冬至の後、日の入がもっとも早い日は冬至の前になります。この現象は、日本中どこでもほぼ同様です。
なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか?
昼間の長さは、太陽の高さで決まります。つまり、太陽が空の高いところを通過すれば、それだけ、空を横切る時間が長くなるわけです。太陽が空のもっとも高いところを通過するのは夏至の日です。逆に、冬至の日にもっとも低くなります。日の出・日の入の早さ・遅さもだいたいは昼間の長さで決まります。昼間が長いと、それだけ日の出は早く、日の入は遅くなりますね。しかし、夏至(冬至)の日をはさんで前後約1週間にわたっては、そうならずに、日の出・日の入ともに日々遅くなっていきます。
日の出・日の入の早さ・遅さを決めている要因はもうひとつあり、それは太陽の動き方です。地球から見ると、太陽が空を動いているように見えますね。この動き方が年間を通して一定であれば、日の出・日の入りの早さ・遅さは昼間の長さだけで決まります。しかし、実際には、太陽は季節によって動く速度が違うのです(もちろん、この違いは目で見て確認できるほど大きくはありません)。これは、以下の理由によるものです。
- 太陽の通り道である黄道と天の赤道が23.4度傾いているため、太陽が天の赤道に対して動く速度が一定ではない
- 地球の公転軌道が楕円であるため、太陽の日々の進みが一定ではない
ここで、太陽の南中する時刻(太陽が真南を通過する時刻)について考えてみましょう。南中時刻は、ちょうどお昼の12時ではなく、年間を通して変動があります。これも、上記2つの理由によるものです。夏至と冬至の頃は、南中時刻がどんどん遅くなっている時期にあたります。南中時刻は日の出から日の入までのほぼ中間にあたりますので、単純に考えて、南中時刻が遅いほうにずれれば、そのぶん日の出、日の入も遅いほうへとずれていきますね。ちょうど、夏至、冬至の前後は、この効果が大きくあらわれるため、日の出・日の入ともに日々遅くなっていきます。
そのため、日本では、日の出がもっとも早い日は、夏至より1週間ほど早く、日の入がもっとも遅い日は夏至より1週間ほど後になります。また、日の出がもっとも遅い日は冬至の半月ほど後、日の入がもっとも早い日は冬至の半月ほど前になります。