2021年地球から最も遠い満月(2021年12月)
月の楕円軌道が生む違い
12月の満月は、2021年に起きる満月としては最も遠い位置にあります。月は12月18日11時15分に遠地点(注1)を通過し、翌日19日の13時36分に満月となります。満月のときの地心距離(注2)は約40万6000キロメートル、月の視直径(注3)は29分26秒角です。

地球の周りを公転する月の軌道は楕円形をしているため、地球と月との距離は一定ではありません。さらに、月の軌道は太陽や地球などの重力を受けて変化しています。そのため、満月や新月のときの距離は、上の図のように毎回異なります。2021年で最も近い満月は、5月26日でした。その時の満月と比較すると視直径で約12パーセント小さく、輝面が22パーセント少ない(それだけ暗い)程度の違いがあります。とは言え、実際の夜空に月を二つ並べて比較することはできないため、月を眺めて大きさの変化に気づくのは難しいでしょう。

- (注1)近地点・遠地点:1公転の間で月が地球に最も近づく点を「近地点」地球から最も遠ざかる点を「遠地点」といいます。 本文へ戻る
- (注2)地心距離:地球の中心と天体の中心(この場合は月の中心)の間の距離。実際には私たちは地表から月を見ているため、地心距離が同じであれば、頭の真上近くに見える月は地平線近くに見える月よりも、地球の半径分(約6400キロメートル)私たちに近いことになります。 本文へ戻る
- (注3)視直径:天体の見かけの大きさで、角度で表します。このページで示している視直径は地心距離に基づいて計算しています。 本文へ戻る
(参照)暦計算室ウェブサイト:「こよみの計算(CGI版)」では、月の出入りの時刻や方位などを調べることができます。「暦象年表」の「天象」の項では、月の朔・弦・望や最近・最遠の日時を計算することができます。