金星と火星が接近(2021年7月)
夕方の西空で地球の隣の2惑星が接近
夕方、日の入りの後しばらくたつと、西の低い空に金星が輝き始めます。金星の近くには、肉眼でははっきり見えないかもしれませんが火星も見えています。この2つの惑星が、7月12日から14日にかけてかなり接近して見られます。金星は地球の一つ内側を、火星は地球の一つ外側を回るお隣の惑星ですが、地球から見てたまたま同じ方向に見えるのです。
金星と火星が最も接近して見えるのは7月13日の夕方で、この時、2惑星はおよそ28分角(約0.47度)まで近づきます。これは、月の見かけの直径の距離に2つの星が収まるほどの近い角度です。ただし、明るさの差は大きく、金星がマイナス3.9等と大変明るく輝いているのに対し、火星は1.8等とだいぶ暗めです。その差はおよそ200倍。薄明で空が明るいこともあり、火星は肉眼では見えづらいかもしれません。その場合には、双眼鏡や小さな望遠鏡を使うと見えやすくなりますので、お持ちの方は試してみてはいかがでしょうか。また低い空に見えますので、西から西北西にかけて見渡せる場所で観察するとよいでしょう。
7月12日には細い月も金星と火星に近づき、西空が賑わって見えることでしょう。これらの天体の共演を楽しみましょう。
(参照)暦計算室ウェブサイト:国立天文台暦計算室の「こよみの計算」では、各地の日の出入り時刻、月の出入り時刻、惑星の出入り時刻などを調べることができます。また暦象年表の「太陽系天体の出入りと南中」でも、各地の惑星の出入り時刻などを調べることができます。「今日のほしぞら 」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。