月が木星、土星に接近(2019年10月)

月が木星、土星に接近 2019年10月3日から6日 19時頃 東京の星空
画像サイズ:中解像度(2000 x 1265) 高解像度(5500 x 3480)

3日から6日は夕方の南の空に注目

日の入りから1時間ほどして、かすかに明るさの残る空を見てみましょう。南西の方角には明るい木星を、視線を東(左)に移すとやや暗い土星を見ることができます。

10月3日には月が木星に接近します。細い月と明るい木星が並ぶ様子はたいへん目を引くでしょう。月と木星のすぐ南(下)には、さそり座の1等星アンタレスも見えています。翌4日には、月は木星の東側へと移動し、前日より少し太っていることがわかるでしょう。
5日には月はさらに東に移動し、土星の西側に並びます。月は太くなるにつれて明るくなるため、土星は月の光に紛れて少し探しづらいかもしれません。翌6日は、上弦となった月が土星の東側へと移動します。

その後、月は日に日に東に位置を変えていきます。約1カ月かけて星空を1周して再び木星に近づく頃には、夕方の木星の高度が低くなってしまうため、あまり見やすくありません。月が木星、土星に相次いで接近する様子を楽しめる時期はそろそろ終わりとなります。

(参照)暦計算室ウェブサイト今日のほしぞら」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。こよみ用語解説天象の項では、最大離角、衝、合、留などの惑星現象の用語について解説しています。

コラム
天文学の現場から

平松正顕
平松正顕
国立天文台助教

木星には、地球の台風のような嵐が渦巻いています。アルマ望遠鏡やすばる望遠鏡などを駆使して、木星で起こる巨大な嵐の仕組みが明らかになりました。水蒸気とアンモニアがその鍵を握っているようです。
木星の巨大な嵐の内側をアルマ望遠鏡で探る
多波長観測で捉えられた木星の嵐

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