秋のひとつ星を見よう(2018年11月)

秋の星座ただ一つの1等星、フォーマルハウトを見つけよう!
季節が秋から冬へと移り変わるこの時期、夏の星座が西の空に傾き、南の空には秋の星座が昇ってきています。1等星がたくさんある夏の星座に比べ、秋の星座の1等星は、みなみのうお座のフォーマルハウトただ一つしかありません。フォーマルハウトの東京での南中高度は25度ほどと、さほど高くはありませんが、周囲に明るい星がないためよく目立っています。そして、ぽつんと輝くその姿は「秋のひとつ星」とも呼ばれています。少々寂しいイメージの呼び名ではありますが、今年は南の空に火星も加わり、秋の夜空に彩りをそえています。11月中旬の東京では、フォーマルハウトは19時頃に南中します。11月の初め頃、火星はフォーマルハウトの右上の方に見えていますが、星座の中をどんどん東に移動していき、12月上旬にはフォーマルハウトとほぼ同じ頃に南中するようになります。
各地におけるフォーマルハウトや火星の南中時刻は、暦計算室ウェブサイトの「暦象年表」内の「恒星の出入りと子午線通過 」、「太陽系天体の出入りと南中」などで調べることができます。
日付 | 日の入り | フォーマルハウトの南中 | 火星の南中 |
---|---|---|---|
11月1日 | 16時46分 | 19時57分 | 18時37分 |
11月6日 | 16時42分 | 19時37分 | 18時28分 |
11月11日 | 16時37分 | 19時18分 | 18時20分 |
11月16日 | 16時34分 | 18時58分 | 18時11分 |
11月21日 | 16時31分 | 18時38分 | 18時03分 |
11月26日 | 16時29分 | 18時19分 | 17時55分 |
12月1日 | 16時28分 | 17時59分 | 17時47分 |
12月6日 | 16時28分 | 17時39分 | 17時39分 |
12月11日 | 16時28分 | 17時20分 | 17時32分 |
12月16日 | 16時29分 | 17時00分 | 17時24分 |
フォーマルハウトの周囲には、ハッブル宇宙望遠鏡の観測によってチリの環があることがわかっていました。そしてさらに、アルマ望遠鏡の観測によって、この環はフォーマルハウトのまわりを公転している惑星によって形が保たれていることなどが明らかになりました。フォーマルハウトを眺めながら、地球から遠く離れたところにある惑星や、宇宙について思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
参照:暦計算室ウェブサイト
「今日のほしぞら」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。