水星が西方最大離角(2017年9月)

2017年9月10日、12日、17日 日の出30分前の東京の空
画像サイズ:中解像度(2000 x 1265) 高解像度(5500 x 3480)

夜明けの水星を見つけよう

夜明けの東空で水星が見頃をむかえています。

太陽系の惑星の中でもっとも内側を回っている水星は、地球から見ると、常に太陽と近い方向に位置するため、観察するのが難しい惑星です。時にはマイナス等級に及ぶ明るさになることもありますが、日の出直前の明るくなり始めた東の空か、日の入り直後のまだ明るさの残る西の空低いところにいつも位置しているため、空の明るさが邪魔になってとても見つけにくい天体なのです。

この水星が9月12日に西方最大離角を迎えます。そのため、10日から16日にかけては、日の出30分前の水星の高度がおおむね10度を超えていて、比較的見つけやすくなります。また、水星の明るさは、0等級からマイナス等級へと増していくので、この期間の後半ほど条件が良くなります。このチャンスに水星探しに挑戦してみてはいかがでしょうか?

水星が見つかったら、すぐそばにしし座の一等星レグルスを探してみましょう。レグルスは1.4等と一等星の中では暗い星ですが、双眼鏡なら存在を確認することができるかもしれません。レグルスと水星が、見かけ上、最も近づくのは10日で、日にちがたつにつれて離れていき、12日を過ぎると今度は、水星と火星が近づいていきます。
火星はレグルスよりもさらに暗く、1.8等の明るさしかありません。そのため、肉眼では見ることができず、直接火星を探すのはたいへん難しくなっています。しかし、17日の明け方、水星と火星の見かけの位置はわずか0.1度以下となり、望遠鏡で同じ視野に入るまでに近づきます。ですからこの日、まずは水星を見つけて、望遠鏡でのぞくと、すぐそばに輝く火星を見ることができるでしょう。
ただし、上ってきた太陽が、もし望遠鏡の視野の中に入ってしまうと、大変危険です。各地の日の出時刻は、国立天文台・天文情報センター暦計算室のウェブサイトの「今日のこよみ」で調べることができます。
日の出の時刻ぎりぎりまでがんばらず、時間に余裕を持って観察を終えるように心がけましょう。

参照:暦計算室ウェブサイト

今日のほしぞら」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。こよみ用語解説天象の項では、最大離角、衝、合、留などの惑星現象の用語について解説しています。

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