ほしぞら情報 2012年6月
目次
東京の星空(2012年6月中旬午後9時頃)

6月
4日 | 部分月食 参照:月食各地予報 / 満月 |
5日 | 海王星が留 / 芒種(太陽黄経75度) |
6日 | 金星日面経過 参照:日面経過各地予報 / 金星が内合 |
11日 | 下弦 |
20日 | 新月 |
21日 | 夏至(太陽黄経90度) |
26日 | 土星が留 |
27日 | 上弦 / 金星が留 |
惑星
- 水星
- 日の入り後の西の低空に見えます。6月中旬から7月初めは、日の入り後の高度が15°を超え観察しやすくなります。7月1日に東方最大離角となり、みかけ上太陽から最も離れます。明るさはマイナス1.8等~0.5等。
- 金星
- 上旬から中旬は太陽に近く観察には適しません。6月6日に内合となりますが、この日は金星が太陽の手前を通過する日面経過(太陽面通過)が起こります(トピックス参照)。6月下旬には日の出前の東の低空で再び見ることができるようになります。明るさはマイナス3.9等~マイナス4.4等。
- 火星
- 日の入り後の南西の空に見えます。上旬から中旬はしし座にあり、下旬にはおとめ座に移ります。明るさは0.5等~0.8等。
- 木星
- おうし座にあり、下旬には日の出前の東の低空に昇ってきます。明るさはマイナス2.0等。
- 土星
- 日の入り後の南の空に見えます。おとめ座にあり、1等星スピカと並んでいます。明るさは0.5等~0.7等。
参照:暦計算室ウェブサイト
- 「今日のほしぞら」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます
- 「こよみ用語解説」の「天象」の項では、最大離角、衝、合、留などの惑星現象の用語について解説しています
トピックス
部分月食


6月4日は、月が地球の影に隠される月食が起こります。今回は月のおよそ4割が欠ける部分月食となります。全国で見ることができますが、西日本と北海道北西部では月食が始まってから月の出となる月出帯食(げつしゅつたいしょく)となります。それ以外の地域でも、月の出から間もなく月が欠け始めます。食が最大になる20時03分の月の高度は12°程度(東京)で、月が高く昇る前に月食が終わってしまいます。南東の低空がよく見渡せるような場所を選んで観察してください。
※画像に誤りがありましたので、東京、福岡の部分月食の経過を表す画像を差し替えました。(2012年5月17日午後1時30分)
金星の日面経過(太陽面通過)

金星は6月6日に内合となります。この日は太陽の前面を金星が横切っていく日面経過(太陽面通過とも呼ぶ)が起こり、日本全国でこの現象の始まりから終わりまでの全過程を観察することができます。金星の直径は太陽のおよそ3パーセントほどで、小さな黒い点が太陽面をおよそ6時間半にわたって移動して行くようすを観察することができます。
金星の日面経過はたいへんまれな現象で、8年、121.5年、8年、105.5年という周期で繰り返し起こります。前回は8年前の2004年6月8日でしたが、次回は105年以上も先の2117年12月11日となります。
金星の日面経過の観察の際は、決して直接太陽を見つめてはいけません。5月の日食の際に使った太陽観察専用の遮光板やグラスを使う、望遠鏡を使って太陽投影板に投影する、といった方法で観察してください(注)。
注:日食のように、ピンホールや木漏れ日を使う方法では、金星の日面経過はわかりません。また、小さな鏡を使った反射光による観察方法もたいへんわかりにくいでしょう。

金星の日面経過について詳しく知りたい方は、次のページをご覧ください。
夕方の西の空に水星を見つけよう

7月1日に東方最大離角となる水星が、6月下旬から7月上旬の間、日の入り後の西の低空で高度を上げ、観察しやすくなっています。今年、日の入り後の西の空で水星が見られるチャンスは、次回は10月27日の東方最大離角の前後となりますが、このときの水星の高度は10°より低く、残念ながら観察しやすくありません。梅雨の晴れ間をねらって、ぜひこの機会に水星を見つけてみましょう。
6月22日は、近くにある細い月を目印に水星を探すことができます。