天文機器資料館
自動光電子午環は、天体の精密位置観測に使っていた観測施設で、1982年に建設されました。望遠鏡は、天体の位置を精密に観測できるように特殊な工夫が施されたもの(子午環)で、1984年から観測に使用されました。ドームの南北にある窪地の中には、地上基準点である「子午線標」があります。
現在ではドームは天文機器資料館として、収蔵品が展示されています。
自動光電子午環では、天体の位置と運動を調べることによって宇宙を研究してきました。それまで行われてきたゴーチェ子午環による眼視での位置測定では、観測者による誤差が大きかったのですが、自動光電子午環では光電マイクロメータを用いることによって、偏りのない位置測定を行うことができました。
自動光電子午環は、眼視観測の5倍の観測能率を持ち、12等級までの星や銀河の位置を1回の観測により0.1秒の精度で決定することができました。昼には太陽の観測を行い、また夜には3分間に1天体の割合で、大量の星の観測を行いました。これらの結果をまとめた数々の星表は、銀河回転や太陽系天体の運動の解明など、天文学の様々な研究に役立ちました。
概要
口径 | 19センチメートル |
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焦点距離 | 257.6センチメートル |
観測対象 | 天体の精密な位置観測 |
1982年 (昭和57年) | 建設 |
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2000年 (平成12年) | 観測終了 |
2007年 (平成19年) | 自動光電子午環を一般公開 |
2008年 (平成20年) | 天文機器資料館として公開 |