ハワイ観測所 事務支援員 末広曜子

声を出せば誰かが助けてくれる、その雰囲気を大切に

ハワイ観測所
事務支援員

末広曜子

Yoko Suehiro

仕事と家事を両立しやすく、働き続けたいと心から思います

前職は競馬のウェブコンテンツを作る会社で、記事を書いたり、取材に行ったり、そういった仕事をしていました。とても忙しい職場で、出産をきっかけに退職を。娘が1歳ぐらいになったとき、ハローワークに通い始めて「託児所付きの求人がありますよ」と紹介されたのが国立天文台です。

最初は数カ月の短期契約でTMT(Thirty Meter Telescope)の事務室に入って、その後、ハワイ観測所に移り、更新を続けて5年間働きました。それからまたハワイ観測所で事務支援員を募集していたので、応募して。合わせると2025年2月で勤続8年になります。

こちらに就職したとき娘は1歳半で、3歳まで国立天文台の保育ルームに預けていました。通勤ラッシュの中、娘を連れてバスと電車で通うのは大変でしたが、ほとんど定時で帰れたり、子育てはしやすい環境でしたね。途中から「1週間の勤務時間は変えずに、日数を5日から4日に減らしたい」と相談したら受け入れてもらえたり。家の事と両立しやすくて、「働き続けたい」と心から思う職場です。

“インタビューの様子”
居室

助け合う、物事を言いやすい、そういう環境を守りたい

事務室は通称「すばる室」と呼ばれていて、現在ではハワイ観測所とTMTプロジェクトの事務の両方を担当しています。その中で私は、国立天文台の職員と外部の方々の出張手続き、所属職員の勤務管理、研究会の補助業務などを行っています。民間企業と違って制限が多くて、例えば会議室の椅子を買い替えることひとつとっても大変でした。特に科研費(科学研究費補助金)などの外部資金を扱うときは、独自の執行ルールがあったりするのでとても気を使います。

すばる室には今、7人いるのですけど、みんなで協力してやっている感じで。悩む事があっても声を出せば誰かがすぐ助けてくれる、すごくお仕事がしやすい所だなぁと思っています。今年の3月にベテランの方が1人、退職されるのでちょっと不安ではありますが、そういう環境は維持したいですね。仕事は分担制であっても、1人に業務が集中しないよう助け合う、物事を言いやすい、そういう環境は守っていきたいです。

良好な職場環境

英語の勉強は課題。英語対応が必要なトラブルも

私の場合は英語に苦労しています。翻訳ソフト が活躍してくれるのでメールは良いのですが、会話は……。英語の電話がかかってくると、周りの職員に助けてもらったりしています。この間、研究会があったのですが、私は受付に立たなきゃいけなくて、とても緊張しました。それで今、オンラインの英会話レッスンを受けたり、TOEICの勉強をしたり、自分でいろいろとやっているところです。

私は旅費手続きをメインで担当しているのですが、旅費の執行ルールも厳しいので、旅程については事前によく確認しておく必要があります。以前、よその大学の研究員の方が帰りにプライベートでホノルルに滞在してしまって、旅費の一部が支払えなくなるトラブルがありました。普通なら事前に旅程表を見て気付いたはずですが、その頃は業務量がすごく増えていて毎日のように残業をしているような状況で。しかも外国の方だったので、英語での対応が大変でした。その後、国立天文台で研究会があったとき、その方が「あの時は迷惑かけてごめんなさい」とわざわざ言いに来てくれたときは、心が救われました。

合唱部では気軽に参加できる雰囲気を大切にしています

国立天文台の合唱部は2018年にできたのですが、私はその時からのメンバーで、部長を務めています。3、4人で始まって、国立天文台の中で指導してくださる方を見つけて、そうしたらあっという間に20人ぐらいに増えました。今年1月に国立天文台内でミニコンサートがあって、合唱部も出演したんですよ。合唱部では誰でも気軽にお昼休みに参加できて、楽しく歌って……、を目標にしています。発表会のために一生懸命になりすぎちゃうと雰囲気が変わってきちゃうので、発表会などに出られない人でも練習には気軽に参加できる、そういう部を目指しています。人数ももう少し増やしたいですね。

休日は娘と2人で美術館や動物園へ行ったり。子供が行きたがるわけではなくて、私が行きたくて、美術館も動物園も。娘に「ついて来てくれる?」と聞くと「いいよ」って。家で一緒にアニメを見たりすることも。今は週4日の勤務なので、家事をする時間も娘と遊ぶ時間も、自分の時間も持つ事ができて、体力的にも精神的にも良い状態が作れていると感じます。

合唱部のミニコンサート

取材日:2025年2月14日/公開日:2025年4月4日
取材・文:臼田雅美/写真:長山省吾
掲載内容は取材時のもの

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