事務部 総務課 総務係 係員 磯崎優香

私をポジティブな人間へと。変えたのはチリでの生活

事務部 総務課 総務係
係員

磯崎優香

Yuka Isozaki

私が先輩たちにそうしてもらってきたから……

国立天文台に就職したのが2014年8月。最初は事務部総務課の人事係でした。就職して1か月後ぐらいの話ですが、特定事務職員の採用面接がありまして……。その案内・誘導をする係になったのですが、就職まもない人間に1つの仕事を任せてもらったことがうれしかったのを覚えています。そうやってご案内してきた方々が、今は同じ職場にいて、あるとき「面接に来たとき、磯崎さんに案内してもらいながら言葉をかけてもらったおかげで、リラックスできた」と言われたことがありました。その方の印象に残っていたことがすごくうれしかったです。

その後、私は2018年にチリの事務部庶務係に異動し、2021年に日本へ戻り、現在の総務係になりました。事務部は人数が多くなく、みんな顔見知りなので、その点、仕事がしやすいです。例えば何か依頼されたとき、「あの人だったらこうしてあげたらどうだろう」とか「どうすればこの人が仕事をやりやすくなるかな」とか、その人に合った工夫がしやすい。ですから何が求められているのか常に考えながら、配慮を怠らないようにしています。私が先輩たちに、そうしてもらってきたのと同じように。

インタビューの様子

実はそれまで国立天文台の存在を知らなかった

大学ではスペイン語を専攻していました。就活は一度、ボロボロに失敗しまして。どうしようかなとなってから、母校、外語大(東京外国語大学)の職員になろうと思い、国立大学法人の新規採用試験を受けたのです。一次試験に受かった後、合同説明会のようなものがあって、そこでまず外語大の説明を聞いて。ほかにもどこか聞いてみようと思った時、国立天文台があったわけです。恥ずかしい話ですが私、それまで国立天文台の存在を知らなくて。聞いてみると、ハワイとチリにも拠点があって、外国に行けるチャンスがあると。旅行以外で、自分から海外に飛び出す勇気はないけれど、就職先にそういった機会があれば……。自分としてはチャレンジだったのです。

私は元々、あまり自分の意見ははっきり言わないタイプの人間だったのですけれど、国立天文台に入って、チリに赴任することで大きく変わりました。自分の意見をはっきり言わないと立ち行かなくなることがあることを思い知ったし、新しいことにどんどんチャレンジしていくことが楽しいと思える積極性も芽生えたように感じます。

現地で知り合った友人のおかげで楽しかったチリ生活

チリに赴任していた頃の仕事は主に、駐在する職員のサポート。研究者などの皆さんがチリでも不自由なく暮らしていけるよう、銀行口座の開設、住む所の用意、困った時のスペイン語ヘルプに始まり、割と何から何まで。またプライベートでは、日本食とか日本人の口に合う食事ができるレストラン探しなんかもやっていました。民間の企業の方も含めて、サンティアゴに駐在している日本人は1000人ぐらいしかいないので、自然と日本人コミュニティができて。そこでも「新しく日本食料理屋さんがオープンした」みたいな情報を共有していました。このときに知り合った日本人の友人とは今でも交流があります。その友人のおかげで楽しかったチリ生活と言っても過言ではないくらいです。

チリの建物、オフィスや家などが大雑把なのはおかしかったですねぇ。床が傾いていたり、天井が剥がれ落ちてきたり……。私が住んでいた家の台所のシンクがゴトって落ちたこともありました。それで修理を頼んでも対応がのんびりしていて。自分もだんだん「ま、いいか」という感覚になっていくのですね。私にはチリの大雑把というか、おおらかな気質が合っていて、すぐになじめました。

チリの日本食レストランでアルマプロジェクトの職員さんと
インタビューの様子

一度外に出てみるとか、いろいろと見て勉強していきたい

事務部では定期的に課長と今後のキャリアについてお話をする機会が設けられていて、例えば異動の希望など、そういった話がしやすい環境になっています。

一つ所にとどまっているとそのことしか知れないので、私は今後も程良いスパンで異動したいなと考えています。チリにもまた行きたいですし、ハワイにも赴任してみたいです。また国立天文台は国立大学との間で事務の人事交流をしていて、2、3年行ってくることができるので、私も一度外に出て、他の大学を見てくるのもいいなと。“外から見た国立天文台”など、いろいろと見て勉強していきたいと思っています。ふと、私ってそんなポジティブな人間だっただろうか?と思ったりしますが、それもチリでの経験が私を変えてくれた影響ですね。

事務部にて

取材日:2022年9月6日/公開日:2022年11月15日
取材・文:臼田雅美/写真:長山省吾
掲載内容は取材時のもの

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