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ルーリン彗星の尾の見え方について

 天文情報センターによる、ルーリン彗星の尾のシミュレーション結果です。

1月29日のシミュレーション結果

位置関係について

軌道と位置関係の図

 1月29日には、地球と彗星は比較的離れていました。また地球−彗星−太陽がなす角は比較的大きく、このため、彗星に対して太陽とほぼ反対方向に伸びるガスの尾(イオンの尾)が見やすそうです。

 一方で、曲がって分布するダストの尾は、地球から見て彗星の向こう側(奥側)となり、あまりはっきりとは見られないかもしれません。

 図は、地球軌道面を真上から(注)見たものです。またルーリン彗星の軌道面は、地球軌道面に対して、約1.4度しか傾いていませんので、ルーリン彗星の軌道面に対しても、ほぼ真上から見ていると考えて差し支えありません。

 注:わかりやすく「真上から」と表現しましたが、正しくは「軌道面に対して北側で垂直な方向から」です。

尾の見え方

尾の見え方のシミュレーション

 図は、地球から見た彗星の尾の見え方を示しています。図の中心がルーリン彗星の本体です。

 位置関係から予想された通り、ガスの尾が彗星の西側(図の右側)に、比較的長く伸びてみられます。

 一方で、ダストの尾は彗星の奥側に分布するため、彗星本体と重なり、あまりはっきりとは見られません。
 しかし、ダストの尾の一部は、彗星の東側(図の左側)に短めに見られます。このダストは(彗星の尾としては)比較的大きめのダストによって構成されています。

 なお、太陽の方向は図の東側です。彗星の尾は、一般的に太陽と反対方向に伸びますが、このように太陽と地球と彗星の位置関係によっては、一見太陽方向に尾が伸びたように見えることがあります。このような状態の尾のことを「アンチ・テイル」と呼びます。なお、2月26日頃まで、ダストの尾はずっとアンチ・テイルの状態で見られそうです。

 ダストの尾は、一般的に彗星の軌道面に沿って幅広く分布します(前述の位置関係の図参照)。しかし、ルーリン彗星の軌道は、地球軌道と約1.4度しか傾いていません。したがってこの図は、ルーリン彗星の軌道面をほぼ真横から見た図になっています。このため、ダストの尾の幅が、ほとんど広がりません。

 なお、図中には彗星のコマの部分が描画されていません。ルーリン彗星は地球に比較的接近するため、コマが大きく見えることが予想されます。彗星本体付近では、このコマと尾が重なって見られ、彗星全体としての見え方は、図と異なりますので、ご注意ください。

 

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