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ルーリン彗星の尾の見え方について

 天文情報センターによる、ルーリン彗星の尾のシミュレーション結果です。

2月21日のシミュレーション結果

位置関係について

軌道と位置関係の図

 キャンペーンが始まってすぐの2月21日には、地球と彗星がだいぶ接近します。また地球−彗星−太陽がなす角も小さくなり、このため、彗星に対して太陽とほぼ反対方向に伸びるガスの尾(イオンの尾)は、地球から見て彗星の向こう側(奥側)となってしまい、だいぶ短くなりそうです。

 一方で、曲がって分布するダストの尾は、見かけ上伸びてきそうです。

 図は、地球軌道面を真上から(注)見たものです。またルーリン彗星の軌道面は、地球軌道面に対して、約1.4度しか傾いていませんので、ルーリン彗星の軌道面に対しても、ほぼ真上から見ていると考えて差し支えありません。

 注:わかりやすく「真上から」と表現しましたが、正しくは「軌道面に対して北側で垂直な方向から」です。

尾の見え方

尾の見え方のシミュレーション

 図は、地球から見た彗星の尾の見え方を示しています。図の中心がルーリン彗星の本体です。

 ガスの尾が彗星の西側(図の右側)に位置しますが、位置関係から予想された通り、あまり長くは見えそうにありません。図の向こう側(奥側)に伸びてしまっているからです。

 一方で、ダストの尾は彗星の東側(図の左側)に少し伸びて見られるようになります。彗星自体が接近しており、多少明るく見えるかもしれません。
 また、ダストの尾は、一見太陽方向(東側、図の左側)に尾が伸びたように見える「アンチ・テイル」の状態が続いています。

 ダストの尾は、一般的に彗星の軌道面に沿って幅広く分布します(前述の位置関係の図参照)。しかし、ルーリン彗星の軌道は、地球軌道と約1.4度しか傾いていません。したがってこの図は、ルーリン彗星の軌道面をほぼ真横から見た図になっています。このため、ダストの尾の幅が、ほとんど広がりません。

 なお、図中には彗星のコマの部分が描画されていません。ルーリン彗星は地球に比較的接近するため、コマが大きく見えることが予想されます。彗星本体付近では、このコマと尾が重なって見られ、彗星全体としての見え方は、図と異なりますので、ご注意ください。

 

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