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1998年の「しし座流星群」の出現状況などについての情報

(ランダムに更新しています)


1998年11月16日

 レーダー観測についての情報 http://www.kurasc.kyoto-u.ac.jp/radar-group/mu/leonids/leoql1.html

    中村卓司(京都大学超高層電波研究センター)氏によれば、
 「レーダー観測の速報掲載情報 http://www.kurasc.kyoto-u.ac.jp/radar-group/mu/leonids/」で、
昼間の流星数はかなり伸びているようです。



1998年11月18日 【暫定】1998年11月18日 午前8時発表   → 【追加・修正】1998年11月18日 午後2時発表 ・18日未明の出現状況は、大出現といったものではなく、  1時間に60個程度であった(広報普及室にて長野県・野辺山  にて観測)。しし座流星群の流星は輻射点が上がってから夜明  けまで見えた。 ・出現レベルは、昨年1997年より多かった。しかし、今年は  前日17日未明の出現数よりも少ない模様。 ・ヨーロッパ、アメリカでは極大が観測できた模様。  これは、極大時刻がかなり前にずれこんだ可能性を示している。  各国の状況報告から推測すると、極大は約半日早く、ヨーロッ  パから大西洋上で起こったとみられる。1時間あたり2000  個という報告もある。 ・今年、10月のジャコビニジンナー彗星にかかわる流星群の出  現予測というものの難しさを改めて感じさせられることになっ  た。  国立天文台 天文情報公開センター 広報普及室長 渡部潤一 ---------------------------------------------------------- [修正]1998年11月24日 ・日本で観測された11月18日未明の「しし座流星群」の流星出現 状況は、1時間に数10個程度のところが多く、特に条件のよいと ころでも1時間あたり100個に達するかどうかで、大出現にはほど 遠い状態であった。しかし、明るい流星がいくつも見えたので、 一般の方はそれなりに喜んだようである。しし座の放射点が地平 線に昇ってからしだいに高度を増したにもかかわらず、それに伴 う出現数の増加がほとんどなかったので、流星出現のピークが過 ぎていることが推測された。  ・ヨーロッパ、アメリカなどからは、日本よりかなり多い流星 観測数が報告されている。各国の状況からみると、ピークは日本 時間で17日11時前後と見られ、一般に予測された時刻より17時間 も早い。ピーク時の出現数は1時間あたり200から300個くらいと 見られる。さきにカナリヤ諸島から1時間あたり2000個という報 告もあったが、これは6人の観測者による全天計数の結果で、通 常用いられる1時間あたりの出現数としては、そのまま採用でき ないことがわかった。 ・「しし座流星群」の軌道面は地球軌道面とは僅か17度しか傾い ていない。この角度が小さいときは、ピーク時刻に誤差が生じや すい。それにしても17時間もの誤差があったことは、母彗星の軌 道だけを頼りにしてピークの時刻を予測することに限界を感じさ せる。とにかく、流星群の出現予測はむずかしい。        国立天文台・天文情報公開センター・広報普及室
1998年11月17日(世界時)発行の         国際天文学連合回報  第7052号より しし座流星群1998年出現速報 観測速報は、今年のしし座流星群の活動が、実質的に予報 より早まったことを示している。非常に明るい火球(かきゅ う=流星の中で非常に明るいものを指す)もかなりの率で見 られた。痕(こん=流星が流れ後に残る雲の様なもの)を残 す、マイナス8等より明るいものもいくつか出現した。眼視 による観測数は、11月16.4日(世界時)ごろの1時間 あたりおよそ10個(G. Zay, デスキャンソ, カリフォルニ ア州)から増加しはじめ、11月16.9日から17.1日 (世界時)にかけて、1時間あたりおよそ140〜150個 (M. Langbroeck および H. Zhao, Delingha, 青海(チンハ イ), 中国; またK. Hornoch, Lelekovice, チェコ共和国) に達した。A. Pereira(Cabo da Roca, ポルトガル共和国) は11月17.13日から17.24日にかけて214個の 流星を観測した。それどころか A. Fitzsimmons はカナリー 諸島、ラ・パルマでの観測グループが、11月17.15日 頃に1時間あたりおよそ1000個、それから17.19日 頃には2000個ほどの流星を観測したと報告している。J. Gluckman、D. Healyらはアリゾナ州、シエラヴィスタ近郊 で、11月17.36日から17.45日に425個のしし 座流星群に属する流星を観測したと報告している。一方 A. Hale(ニューメキシコ州、ラスクルーセス)は、11月17. 38日から17.47日の間に126個の流星を報告してい る。 ------------------------------------------------------ 1998年11月18日(世界時)発行の         国際天文学連合回報  第7053号より これまでに事務局に届いた多くの続報によって、 多くの明るい火球が予報時刻を過ぎても観測されたこと、 および、極大における流星出現数は1時間あたり 500個程度(ZHR)であった事実が確認された。今年の 流星群はそれなりに印象的ではあったが、1799年、 1833年、および1966年の大出現には遠く及ばなかった。
1998年11月17日(米・ハワイ時間) 国立天文台・ハワイ観測所職員によるレポートです(抜粋)  単なる読み物としてお読みになるだけにしてください。                   (禁・転載、引用等) 山頂見聞録:11月17日(火曜)   1) 午前2時山麓発、「しし座流星群」見物のため、職員ら7人 でマウナケアに向かう。待ち合わせをしているハワイ観測所 の駐車所からも痕を残す流星があちこちを流れるのが見えた。 他に2つのグループが山頂に向かった。途中サドルロードの あちこちに車を止めて空を眺めている人がたくさんいた。我 々はハレポハクに向かって走る。サドルロードは良く晴れて いて下ってくる車も多い。ハレポハクに向かう道路にはいる と雲の中に入ってしまった。パーカーランチに入った頃、雲 を照らす降りてくる車のライトは幻想的な景色を作り出す。 ハレポハクのビジターセンター近くには道路の両側にたくさ んの車が止まっている。ハレポハクで休憩の後、山頂へ。3 時40分頃到着。 2) 防寒着を着込み、外に出る。寒い、一時はマイナス3.5度 Cほどにも下がった。流星群というものをそのつもりで見る のは初めてである。「あっ、流れた!」という声が時々上が る。平均して1分に1個は見えていたのだろうか。非常に多 いという感じはしなかった。この流星群は痕を残す流星が多 いのが特徴だそうで、長く痕が残るものがいくつもあり、双 眼鏡で痕を見ていると上層大気に複雑な流れがあることが見 てとれる。パっと明るくなるだけのこともある。ほぼ視線方 向に飛んでくるものだろう。しし座は黄道光の中にあり、目 標に火星がいいといわれたが、火星は暗く目印になるほどで はなかった。流星観測の素人には輻射点がしし座にあるとは 到底思えない様々な方向に飛んだように思えた。立って見て いては首が疲れるし、地面に寝っころがれば寒い。そこで背 もたれのある回転椅子を持ち出し、余分の防寒着を膝掛けに し、防寒着のフードを被り、マスクをしてくるくる回りなが ら空を見ると非常に具合がいい。人工衛星もいくつか見えた。 東の空を見ようとドームの東側まで歩いていくと、神戸大学 の黄道光グループが観測をしていた。CFHT、GEMINIの方向に は雲があり、ドームが雲に包まれていた。皆のところに戻っ た頃、白明が始まり流星も見えにくくなった。制御棟から望 遠鏡見物に出かけ、エレベータからドームに移ろうとすると、 なんと外は吹雪ではないか、ついさっきまで流星見物をして いたのに。 3) 7時30分帰着。
「しし座流星群」の活動はほぼ終っています。  質問電話に多くかかって来ておりますが、「しし座流星群」の今回(1998 年)の活動は概ね終了しております。これから、空を眺めでも1時間あたり1、 2個見られるか否かわからない程度しか出現しないでしょう。  もし、これからも他の流星群でも構わなから見たいというのであえば、他に も通年・定期的に必ずといっていいほど活動しているものがありますので、そ ちらを御覧頂ければと思います。  また、1999年の同時期の活動も期待されていますので、来年の「しし座 流星群」を御覧ください。  主な、流星群と活動時期(詳しくは毎月発行される天文雑誌や天文に関する 資料冊子を御覧ください)。  流星群名        活動時期          ピークと予想される時期  しぶんぎ(りゅう)   12月末〜1月上旬     1月3〜4日頃  みずがめ        4月中旬〜5月中旬     5月6日頃  ペルセウス       7月下旬〜8月中旬     8月13日頃  オリオン        10月中旬         10月21日頃  ふたご         12月上旬〜12月中旬   12月14日頃    など
1998年の「しし座流星群の流星」の画像 1998年11月17日25h56m頃に出現した「しし座流星」 (42KB)  (静岡県・森町にて、国立天文台天文情報公開センター広報普及室・福島英雄 撮影) 著作権:国立天文台天文情報公開センター広報普及室 (↑)画像の使用条件:著作権の明記、画像の改編不可でご利用可能です。 画像の販売禁止見本(成果物、または、そのコピー)を国立天文台・広報普及室までお送り下さい。 1998年11月17日28h13m頃に出現した「しし座流星」 (39KB)  (山梨県・塩山市にて、国立天文台天文情報公開センター広報普及室・小野智子 撮影) 著作権:国立天文台天文情報公開センター広報普及室 (↑)画像の使用条件:著作権の明記、画像の改編不可で御利用可能です。 画像の販売禁止見本(成果物、または、そのコピー)を国立天文台・広報普及室までお送り下さい。 1998年11月18日04h15m頃にに出現した「しし座流星(大火球/マイナス10等級くらい)」 (42KB)  (山梨県・甲斐大泉にて、Y.Okamoto 撮影・提供) 著作権:スペース・フォーラム(Y.Okamoto) & 株)ニフティ (↑)画像の使用条件:撮像者より許可を得ていますので、著作権の明記、画像の 改編不可でご利用可能です。画像の販売禁止。 その際、見本(成果物、または、そのコピー)を必ず国立天文台・広報普及室まで お送り下さい。著作権者にご連絡します。 ------------------ 以下の画像のLINK情報を頂いています。画像の利用に際しては各画像の著作権者に 直接お問い合わせの上許可を得てお使いください。 名古屋市科学舘で撮影された、「しし座流星」の画像のページ 天文甲子園〜しし座流星群・全国高校生同時観測計画のしし座ライブでは 18日午前4時の火球の動画を作成して公開しています。 また、同静止画像も併せて公開していす。

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