国立天文台ニュースをより深める天文学ガイド

ツリー法

ツリー法AI方法を示す想像図です。GeminiのAIで生成されました。(Credit: NAOJ)

機械学習にはさまざまな方法がありますが、その中でも「ツリー法」と呼ばれる考え方があります。ツリー(tree)とは英語で「木」のことで、枝分かれしていく木の形を使って、ものごとを分類したり、数値を予測したりする方法です。

ツリー法では、「はい」「いいえ」で答えられる質問を順番にたどっていきます。たとえば、「この天体は明るいですか?」「色は赤っぽいですか?」といった質問に答えながら進んでいくと、最後に「これは星です」や「この値になりそうです」といった結論にたどり着きます。分かれ道を一つずつ選びながら進んでいく様子に似ています。

ここで重要なのは、人間があらかじめ質問の内容や順番を決めているわけではない、という点です。ツリー法では、たくさんの例をもとにして、コンピュータが「何について質問し、どこで分ければ、予測の間違いが少なくなるか」を考えながら、木の形を作ります。

ツリー法の目的は、分類や予測をできるだけ正確に行うことです。そのために、どの情報を使うか、どのように分けるか、そしてどの順番で質問するかが、データをもとに自動的に決まっていきます。明るさで分けた方がうまくいく場合もあれば、色や動きといった別の情報が重要になる場合もあります。

このような学習のしかたは、私たちが経験から判断を身につけていく過程にも似ています。多くの例を見たり、失敗を重ねたりするうちに、「こういう場合は、ここに注目すると判断しやすい」と分かってくるのと同じです。ツリー法は、このような経験の積み重ねを、コンピュータが大量のデータを使って行う方法だと言えます。

実際には、1本のツリーだけを使うのではなく、たくさんのツリーを同時に使う方法もよく用いられます。それぞれのツリーが少しずつ異なる判断を行い、最後にそれらの結果をまとめることで、いわば多数決をとるようにして、より安定した予測を得ます。本文で触れられているエクストラツリーやランダムフォレストと呼ばれる方法は、このように多数のツリーを使う考え方にもとづいています。

公開日:2026年2月12日

一覧を見る

このページをシェアする