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CNN(畳み込みニューラルネットワーク)

宇宙に存在する多様な形態の銀河が人工知能によって分類されるイメージイラストです。この画像についての詳しい説明は人工知能を活用したすばる銀河動物園プロジェクトをご参照ください。(クレジット:国立天文台/HSC-SSP)

私たちが空を見上げると、星や銀河は「点」や「模様」として目に入ってきます。実はコンピュータも、宇宙の画像を同じように「模様」として理解しようとしています。そのときに活躍するのが、畳み込みニューラルネットワーク(CNN;Convolutional Neural Network)と呼ばれる機械学習の方法です。

CNNは、特に画像を扱うのが得意な機械学習モデルです。写真や天体画像は、細かな点(画素)が集まってできています。CNNは、画像のすべてを一度に理解しようとするのではなく、まず小さな範囲に注目します。たとえば、「ここに明るい点がある」「このあたりに線のような形がある」といった、局所的な特徴を一つずつ見つけていきます。これを画像全体のあちこちで繰り返すことで、だんだんと複雑な模様が見えてきます。

この仕組みは、人間の目の働きともよく似ています。私たちの目の奥にある網膜では、たくさんの細胞がそれぞれ近くの光を感じ取り、明るさの変化や形の違いを捉えています。脳は、こうした小さな情報を組み合わせながら、「点が集まっている」「渦のような形をしている」といった判断をしています。CNNでも、最初は単純な特徴を捉え、次の段階でそれらを組み合わせ、より大きな構造として理解していきます。

天文学では、望遠鏡によって毎日のように膨大な数の画像が得られます。CNNを使えば、星や銀河の形を自動で分類したり、人の目では気づきにくい珍しい天体を見つけたりすることができます。CNNは、宇宙の画像を「模様」として読み解くための、非常に強力な道具なのです。

公開日:2026年2月12日

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