国立天文台 メールニュース
No.35 (2011年4月8日発行) アルマ望遠鏡、最初の観測提案募集を発表、ほか
_____________________________________________________________________ 国立天文台 メールニュース No.35 (2011年4月8日発行) _____________________________________________________________________ 国立天文台のイベントや研究成果、注目したい天文現象や新天体発見情報 などを、メールでお届けする不定期発行のニュースです。 どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。 ----------------------------------------------------------- もくじ ■アルマ望遠鏡、最初の観測提案募集を発表 ■日本天文学会欧文研究報告「すばる望遠鏡特集号」: すばる望遠鏡の最新成果を一挙紹介 ----------------------------------------------------------- ■アルマ望遠鏡、最初の観測提案募集を発表 現在建設が進んでいるアルマ望遠鏡 (アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計) を使った科学観測が、いよいよ今年 (2011年) の秋から始まります。それに先 立った観測提案の募集が、世界中の天文学者に向けて発表されました。 南米チリのアタカマ砂漠に、欧州、北米、東アジア、チリの国際協力で建設 中のアルマ望遠鏡は、完成時には高精度パラボラアンテナ66台をコンピュータ で結合した一つの巨大な望遠鏡となります。このアルマ望遠鏡を使うことで、 宇宙に漂う低温の分子ガスや塵 (ちり)、さらに宇宙の始まりであるビッグバン の名残などを、これまでにない精度で観測することができます。既に10台のパ ラボラアンテナが標高5000メートルの観測地点に運ばれていますが、今年秋ま でにその数は16台にまで増える予定です。完成時の約4分の1のアンテナ数にも かかわらず、この時点で現在稼働中の他の電波望遠鏡を大きく上回る感度を達 成します。 今年9月末から9カ月間、建設と並行してアルマ望遠鏡の最初の科学観測が開 始されます。発表されたアルマ望遠鏡の性能に基づき天文学者が各自の観測計 画を提案しますが、専門家による審査を経て採択された観測計画のみが晴れて 実行できることになります。 来年の今頃には、アルマ望遠鏡による驚くような観測成果が出てくることで しょう。これからどんな新しい宇宙の姿が明らかになっていくのでしょうか。 ご期待ください。 ▽アルマ望遠鏡、最初の観測提案を募集 http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2011/0330post_336.html ▽アルマ望遠鏡 (国立天文台) http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/ ■日本天文学会欧文研究報告「すばる望遠鏡特集号」: すばる望遠鏡の最新成果を一挙紹介 日本天文学会が発行する「欧文研究報告 (Publications of the Astronomical Society of Japan、PASJ)」の2011年3月増刊号として「すばる望遠鏡特集号」 が刊行されました。 この特集号には、すばる望遠鏡を使った観測から得られた研究成果として、 19編の論文が掲載されています。すばる望遠鏡は、太陽系天体から最遠方の銀 河まで、多彩な研究を行うことができる望遠鏡で、この特集号にもさまざまな 研究分野からの報告が寄せられています。 すばる望遠鏡のウェブサイトでは、この特集号で扱われている研究の流れと、 各論文の内容をわかりやすく紹介しています。最近のすばる望遠鏡の研究の動 向をつかむことができますので、ぜひご覧ください。 ▽すばる望遠鏡の最新成果が勢ぞろい ~日本天文学会欧文研究報告「すばる望遠鏡特集号」が刊行 http://subarutelescope.org/Pressrelease/2011/04/07/j_index_s.html ▽日本天文学会 http://www.asj.or.jp/ _____________________________________________________________________ 発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室 発行日:2011年4月8日 _____________________________________________________________________