自然科学研究機構 国立天文台

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渦巻きの中で生まれる三つ子の赤ちゃん星

天体写真・

渦巻きの中で生まれる三つ子の赤ちゃん星

ペルセウス座の星形成領域で、今まさに生まれつつある三つ子の赤ちゃん星をアルマ望遠鏡が詳細に写し出しました。L1448 IRS3Bと名づけられているこの天体の中心にはおよそ15万歳の2つの赤ちゃん星があり、それを取り巻くガスの渦巻きの中に3つめの星が生まれつつあります。中心のふたつの星の間隔は、太陽系でいえば海王星の軌道直径と同じくらいで、3つめの星までの距離はその約3倍です。この観測画像は、ガスの円盤が重力的に不安定になって渦巻き構造ができ、それが分裂することで連星系が生まれる、という説を裏付けるものです。

文:平松正顕(チリ観測所)

観測から見えてきた、多重星の形成シナリオ

銀河では、半分以上の星が連星や3重星という多重星として形成されていることが知られていますが、その形成シナリオは確立していません。この観測は、多重星は赤ちゃん星を取り巻くガス円盤が重力不安定で分裂して形成されうるという説を裏付けた意義深いものです。また、一番外側の赤ちゃん星は約1万歳と予想されています。その年齢は渦巻きが数回転するのに必要な時間と同程度であり、生まれた環境が残されている例外的に若い赤ちゃん星です。生まれた直後の星を研究する上で貴重な天体といえます。こんな三つ子星ですが、周囲のガスを食べ仲良く成長するのか、1人だけ早く成長するのか、外に飛び出してしまう星が現れるのか、まるでわかっていません。想像が膨らみます。

文:西合一矢(チリ観測所)

画像データ

天体L1448 IRS3B
望遠鏡アルマ望遠鏡
クレジットBill Saxton, ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), NRAO/AUI/NSF

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