今週の一枚
中間赤外線で見た土星リング

すばる望遠鏡の冷却中間赤外線分光撮像装置COMICS(Cooled Mid-Infrared Camera and Spectrometer)が撮影した土星の姿です。土星のリングの輝き方が、私たちが見慣れている可視光線での姿とはまったく異なります。2008年に撮影したこの中間赤外線画像では、可視光線では暗いはずの「カッシーニのすき間」と「Cリング」が明るく見えているのです。これは、「カッシーニのすき間」と「Cリング」が、リングの他の部分に比べて温かいためと考えられます。さらに、研究結果から中間赤外線でのリングの見え方には、季節変化があることもわかりました。土星リングの性質を知る上での重要な知見です。
文:藤原英明(ハワイ観測所)
画像データ
天体 | 土星 |
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望遠鏡 | すばる望遠鏡 |
観測装置 | COMICS |
波長 | 11.7マイクロメートル、18.8マイクロメートル、24.5マイクロメートル |
露出 | 計115秒 |
撮影日時 | 2008年1月23日 |
撮影者 | P. A. Yanamandra-Fisher ほか |
画像処理 | 藤原英明 |
クレジット | 国立天文台 |