今週の一枚

天の川銀河紀行

七夕の夜、鵲(かささぎ)が橋をかけ織姫(おりひめ)と彦星が渡ると言い伝えられている天の川。この夜空を横切る淡い光の帯が無数の星の集まりであると明らかにしたのは、望遠鏡を宇宙へと初めて向けたガリレオ・ガリレイでした。天の川には星だけではなく、赤く光る「散光星雲」や、黒く広がる「暗黒星雲」といった天体も存在しています。この映像では、スーパーコンピュータ「アテルイ」が創り出した天の川銀河を巡ります。織姫と彦星も、鵲の橋を渡りながらこんな風景を見ているのかもしれません。

天の川銀河の姿

天の川の正体、それは円盤状の星の集まりを真横から見た姿です。天の川銀河を外から見てみると、中心部分には棒状に星が集まった構造があり、その両端から円盤全体に伸びる渦巻き腕が存在していると考えられています。このような構造を持つ銀河のことを「棒渦巻(ぼううずまき)銀河」と呼んでいます。 このシミュレーションでは、銀河進化の基本的な物理過程である星やガスの重力相互作用、星間ガスの運動や進化、星の形成とその周辺への影響を考慮した計算を行うことで、より現実の天の川銀河に近い姿を描き出しました。

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画像・映像データ

使用計算機Cray XC30「アテルイ」
現象の時間スケール約1-10億年
現象の空間スケール約50万光年
計算を行った研究者馬場淳一(国立天文台、計算実行・解析時の所属は東京工業大学、愛媛大学)
クレジット馬場淳一、中山弘敬、国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト

※この映像をご利用の際には、4D2Uプロジェクトページ「ご利用上の注意」をご覧ください。

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