今週の一枚

アルマ望遠鏡山麓施設にかかる天の川

アルマ望遠鏡山麓施設の夜景 / Night at the ALMA Operations Support Facility - Spherical Image - RICOH THETA

人里離れたところに建設されたアルマ望遠鏡山麓施設(標高2900メートル)の夜空に、天の川がかかっています。赤と白の鉄塔がそびえる西の空には横倒しのオリオン座、反対の東側には南十字星やケンタウルス座アルファ星、ベータ星が見えています。南の空には大マゼラン雲がぼんやりと浮かび、その右上には南極老人星カノープスが明るく輝いています。

アルマ望遠鏡運用の要:山麓施設

アルマ望遠鏡のアンテナ群は標高5000メートルに設置されていますが、望遠鏡の操作や大規模なメンテナンスなどは、少し標高が低く酸素も多い山麓施設で行います。写真で目立つ高い鉄塔は、パラボラアンテナの鏡面精度を測定するための人工電波発信機を設置するために建てられたものです。山麓施設にはオフィスや装置の実験室などのほか、宿舎や食堂があり、常時100名以上が滞在して業務にあたっています。山麓施設は荒涼とした土地が広がる山肌の真ん中に設置されていて、最寄りの町からは50キロメートルほど離れています。山麓施設内の照明と遠くの町のわずかな明かり以外に空を照らすものはなく、素晴らしい星空を楽しむことができます。

文:平松正顕(チリ観測所)

画像データ

カメラRICOH THETA S
露出30秒、ISO1250、f/2
撮影日時2016年3月14日
撮影者平松正顕
クレジット国立天文台

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