今週の一枚

微惑星から地球型惑星へ(地球型惑星の形成)

この映像は、地球のような岩石惑星が誕生する過程のシミュレーションを可視化したものです。太陽が生まれて間もない頃、太陽の材料の残りである塵やガスからなる原始惑星系円盤が存在していました。円盤中の塵はお互いの重力によって集まり、直径数キロメートルほどの微惑星となります。微惑星はさらに衝突合体を繰り返し、数百万年かけて数十個の原始惑星に成長します。原始惑星はしばらく安定して太陽の周りを回っていますが、やがて原始惑星同士の衝突によって合体し、約一億年で現在の太陽系に見られるような数個の地球型惑星に成長します。

地球誕生の歴史は衝突合体の繰り返し

映像の前半では塵から微惑星へ、微惑星から原始惑星へと天体が合体成長する様子を描いています。赤くマークされた原始惑星に着目をすると、やがてもう一つの原始惑星と衝突合体します。このような原始惑星同士の衝突は「巨大衝突」と呼ばれています。地球の衛星である月は、この巨大衝突によって形成されたとも考えられています(4D2Uコンテンツ「月の形成」参照)。映像の後半では、原始惑星の軌道の進化を描いています。原始惑星の軌道が他の原始惑星の重力により、しばしば大きく乱される様子が見て取れます。このとき、原始惑星の軌道が交差したところで巨大衝突が起こります。このシミュレーションでは最終的に4個の地球型惑星が出来上がりました。

画像・映像データ

使用計算機GRAPE-6
計算に使用した粒子数1-3×104
現象の時間スケール106
現象の空間スケール1天文単位
計算をおこなった研究者惑星形成:小久保英一郎(国立天文台)、巨大衝突:玄田英典(東京工業大学)
クレジットシミュレーション:小久保英一郎、玄田英典、可視化:三浦均、国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト

※この映像をご利用の際には、4D2Uプロジェクトページ「ご利用上の注意」をご覧ください。

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