今週の一枚

天文学を支える本部の夜

三鷹キャンパス中央棟と夏の星空の写真

国立天文台三鷹キャンパス。正門を抜けて坂道を登ると、正面に見える「NAOJ」のロゴが来訪者をお迎えします。中央棟は、国立天文台の運営を切り盛りする事務部が集結した本部棟。国内外に観測施設を展開している国立天文台が、天文学の研究・装置の開発・そして次世代の研究者教育を進めて使命を果たしていくべく、組織を支える心臓部の光が窓から洩れています。

例年10月に開催される「三鷹・星と宇宙の日」では、皆さんをお出迎えする受付の役割も担っています。ご来場の際にはこの中央棟前に設営される受付に最初にお立ち寄りください。

2016年の夏の夜空

現在地への移転当時とは異なり都市に飲み込まれてすっかり明るくなった三鷹の夜空でも、2016年の夏の夜空を飾った惑星の巨光は目を引き続けました。中央左手、研究棟を超えてひときわ丈高い樹木の梢に向かい下っていくのは、5月末の最接近を過ぎた火星。その左上に折り重なるように軌跡を描くのは土星です。2惑星のやや左下には火星と赤さを競うアンタレス、さそり座の1等星を見つけることができます。右側には春の輝星が弧を描きます。「NAOJ」ロゴの上に沈んでいくのはおとめ座のスピカ、右上の明るい光跡はうしかい座のアークトゥルス。画面を直線状に横切るのは、頻繁に空を渡っていく航空機の航跡です。

文:内藤誠一郎(天文情報センター)

画像データ

撮影日時2016年7月6日21時から23時20分
撮影者長山省吾
クレジット国立天文台

ダウンロード

関連リンク