今週の一枚

国立天文台になぜ工場があるのでしょうか?

ATC ME Shop - Spherical Image - RICOH THETA

写真は国立天文台三鷹キャンパスにある機械加工工場の全景になります。なぜこのような工場が必要かといえば、天体を観測する装置は一般に販売されておらず、最先端の観測・研究を行うためには、自分達で装置を作る必要があるからです。天文台というと、宇宙を観測したり、宇宙の理論を創造したりというイメージがあるかと思いますが、ここでは日々、金属を加工することで、天文学の進歩を支えています。

先端技術センター メカニカルエンジニアリングショップについて

それでは、この工場が所属している先端技術センター メカニカルエンジニアリングショップ(MEショップ)について紹介します。MEショップでは、最初に研究プロジェクトの要求に基づいて設計をします。そして、技術的な課題を克服し性能を保証するために、試作と評価を内部で一貫して行います。また、超精密加工機という非常に高い精度を持った機械を使い、ナノ(100万分の1ミリメートル)単位の加工を目指し、レンズや鏡といった部品の製作等を行っています。

最近の成果として、アルマ望遠鏡やすばる望遠鏡に搭載する観測装置の主要な部分の設計・製作が挙げられます。現在は主に、次世代超大型望遠鏡TMTや大型低温重力波望遠鏡KAGRA(かぐら)に搭載する装置の開発を支援しています。

このようにMEショップは、国立天文台の観測装置の開発・製作を通じて、日本の天文学の発展に大きく貢献しています。

画像データ

撮影日時2016年7月
クレジット国立天文台

関連リンク