今週の一枚
渦巻銀河の形成 ver.3
私たちが住む天の川銀河。この銀河は様々な観測によって渦巻きの形をした円盤状の銀河であると考えられています。そして、このような銀河は宇宙に数多く観測されています。この渦巻銀河はいったいどのようにして形成されたのでしょうか?この映像では、現在主流となっている、小さな銀河が最初にできて、それらが合体して大きな銀河になるという、階層的構造形成シナリオに基づく銀河の形成過程のコンピュータシミュレーションをご紹介します。
小さな星の集まりから、大きな銀河へ
宇宙が誕生して間もない頃、宇宙にはほぼ一様に物質が分布していましたが、わずかな密度のゆらぎが存在していたため、密度が大きい部分から次第に重力により物質が集まっていきました。やがてガスの密度が十分に高くなったところで星が誕生し、小さな銀河が作られます。この小さな銀河同士が合体し、大きな銀河を形成していきます。集まる過程でガスは円盤を作り、その中でさらに星が生まれます。この円盤のそばを小さな銀河が通過すると、その重力の影響で円盤の中に渦巻き状の構造が生まれます。こうして、私たちが住む天の川銀河のような渦巻銀河ができたと考えられています。
画像・映像データ
使用計算機 | GRAPE-5 |
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計算に使用した粒子数 | ダークマター 1 x 106個、バリオン 1 x 106個 |
現象の時間スケール | 〜135億年 |
現象の空間スケール | 〜30万光年 |
計算を行った研究者 | 斎藤貴之(東京工業大学、計算実行時は国立天文台) |
クレジット | 斎藤貴之(シミュレーション)、武田隆顕・額谷宙彦(可視化)、国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト |
※この映像をご利用の際には、4D2Uプロジェクトページ「ご利用上の注意」をご覧ください。