今週の一枚
石垣島天文台と夏の天の川

沖縄県石垣市にある石垣島天文台からのぞむ夏の天の川です。石垣島は日本の本州に比べ緯度が低く、天の川が最も幅広く濃くなる部分が高い位置に見えます。夏の石垣島は晴天の日が多く空気が澄み渡っていて、一番の観測シーズンになります。この季節、石垣島天文台には天体観望会で多くの見学者が訪れる一方で、九州・沖縄で最大の口径105センチメートルむりかぶし望遠鏡による観測も活発に行われています。
満天の星がきらめく南の島の天文台
石垣島天文台は、東京から約2000キロメートル離れた八重山諸島にあり、日本の西南端に位置する国立天文台の観測研究施設です。石垣島の北緯は24度で、東京に比べ10度ほど緯度が低く、88星座中84星座が見えるほか、全天で21個ある1等星をすべて見ることができるなど、地理的な条件の良さに恵まれています。ジェット気流の影響が少なく大気が澄み渡っていて、夏には日没時に太陽が水平線上で一瞬緑色に輝くグリーンフラッシュがしばしば見られます。この季節、夜は美しい星空が広がり、天の川は南の空から真上の方に向かって伸びる淡い光の帯のように見えます。石垣島天文台の天体観望会には多くの見学者が訪れ、たくさんの感動の声でにぎわいます。天体観望会が終わって静けさが戻る頃、満天の星空の下、宇宙の謎に迫る口径105センチメートルむりかぶし望遠鏡の観測が始まります。
文:花山秀和(石垣島天文台)
画像データ
カメラ | Nikon D800E |
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レンズ | NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED |
露出 | 20秒×3(3枚合成)、f/2.8、ISO1600 |
撮影日時 | 2013年8月6日21時35分(日本時間) |
撮影者 | 福島英雄 |
クレジット | 国立天文台 |