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127億年前の銀河団形成の現場

127億年前の銀河団形成の現場

127億年前の宇宙において発見された原始銀河団の写真です。白丸で囲まれた赤い天体は一つ一つが127億年前の宇宙に存在する銀河で、狭い領域に銀河が密集しています。宇宙年齢がまだ10億年にも届かないような初期宇宙において、既に銀河の集団化が始まっていることを示しており、銀河団形成の非常に初期の段階を目撃しているのかもしれません。

原始銀河団は非常にまれな天体であるにも関わらず、広視野観測というすばる望遠鏡の特長により発見することができました。新観測装置・超広視野主焦点カメラHyper Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム)によりさらなる発見が期待されています。原始銀河団の観測を通して、宇宙の構造形成や銀河進化の解明に重要な手がかりが得られると考えられます。

文:利川潤(国立天文台 ハワイ観測所)

画像データ

天域すばる深宇宙探査領域(かみのけ座)
望遠鏡すばる望遠鏡
観測装置Suprime-Cam
波長Rバンド(650nm)、iバンド(770nm)、zバンド(900nm)を青(R)緑(i)赤(z)で3色疑似カラー合成
露出時間27時間(Rバンド)、28時間(iバンド)、31時間(zバンド)
撮影日時2001年から2008年
クレジット国立天文台

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