今週の一枚
夕焼けの奥州宇宙遊学館と惜春の桜

夕日に染められた奥州宇宙遊学館と惜春(せきしゅん)の桜です。
奥州宇宙遊学館は岩手県奥州市に位置する国立天文台水沢VLBI観測所構内にあります。時代を感じさせる建物は国立天文台水沢VLBI観測所の前身である緯度観測所の本館として使用されていました。当時の緯度観測所には岩手が生んだ詩人宮沢賢治も度々訪れ、童話『風野又三郎』にはこの本館が登場します。作品の中で主人公「風野又三郎」は本館の屋根で休み、当時行われていた気象観測について「あすこを通るとレコード(注)でもなんでもみな外国の方まで知れるようになる。」と話しています。
現在の奥州宇宙遊学館は宇宙をテーマとした科学館として奥州市によって運営され、体験しながら宇宙科学を学ぶことができます。奥州宇宙遊学館を見学の際には構内の桜もお楽しみください。春の終わり、風野又三郎が桜風を構内に吹かせています。
注: レコード=観測された風向風速などの記録。
文:清水上 誠(チリ観測所)
画像データ
カメラ | Nikon D300 |
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レンズ | AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II |
露出 | ISO800 F9 1/5000sec |
撮影日時 | 2013年04月25日 17時53分 |
撮影者 | 清水上 誠(チリ観測所) |
撮影場所 | 国立天文台 水沢キャンパス |
著作権 | 国立天文台 |