自然科学研究機構 国立天文台

やわらかな春に包まれる三鷹、子午儀資料館

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やわらかな春に包まれる三鷹、子午儀資料館

木漏れ日と舞い落ちる花弁の中にたたずむのは「子午儀資料館」。中に「レプソルド子午儀」を収めて20世紀中盤まで観測施設として活躍しました。 外壁の張り出し上部の柱頭模様や、入口のひさしの造作には、1925年の建設当時に流行していたセセッション(分離派)様式の直線模様があしらわれ、シンプルながら優雅な装いを施されています。

この建物は開閉式の天井になっており、屋根をスライドさせ観音開きの窓を開けば、真北から天頂を通って真南まで空を見渡すことができました。静かなたたずまいからすると意外な大胆さを秘めているのです。

春のやわらかな色彩で包み込まれる国立天文台三鷹キャンパス。見学コースは四季折々の草花を楽しむこともできます。

レプソルド子午儀概略

「子午儀資料館」の中央に据えられているのは、1880年(明治13年)にドイツで製作された子午儀。天文台が三鷹に移転するまでは麻布飯倉にあり、経度や時刻の決定に使われました。レプソルド子午儀の観測で求められた時刻によって正午の号砲が撃たれていたのです。三鷹では太陽系天体の赤経や恒星の赤経決定観測に使用され、1962年に役割を終えました。

日本の近代天文学黎明(れいめい)期を支えた貴重な観測装置であるレプソルド子午儀は、2011年に国の重要文化財に指定されています。

文:内藤誠一郎(天文情報センター)

画像データ

カメラNikon D600
レンズAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
露出1/200秒、f/8、ISO160
撮影日2015年4月3日
撮影者長山省吾
著作権国立天文台

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