今週の一枚
環状星雲を包む微かなハロー 惑星状星雲 M57

天体 | 惑星状星雲M57 | 望遠鏡 | すばる望遠鏡 |
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観測装置 | Suprime-Cam(カセグレン焦点試験観測時) | 波長 | 画像左:Hαフィルター画像(25分積分)を疑似カラー表示 画像右:Hαフィルター画像(25分積分)、V-bandフィルター画像(6分積分)、B-bandフィルター画像(40分積分)を3色合成 |
視野 | 3分角×4分角 |
撮影日 | 1999年5月14日、23日、6月15日(UT) |
著作権 | 国立天文台 |
Suprime-Cam(シュプリーム・カム)で撮られた惑星状星雲M57の画像です。右の写真で見られるように、リング状の形状から「Ring Nebula」「環状星雲」という名前で知られているM57ですが、すばる望遠鏡で観測すると、明るいリングの外側にさらに二重三重にM57を取り囲む淡いガス雲が存在していることがわかってきました(写真左)。
筆者の記憶に初出するM57はシュミットカメラの写真乾板に写ったM57でした。広い視野の中にポツンと写る小さなリングの姿を見て 「メシエ天体といえどもこんなものなのか」と思ったものですが、立ちあげ期のすばる望遠鏡で撮られたM57の画像に複雑で微細な構造が隠されていたことを知ったときは大きな衝撃を受けました。8メートル級望遠鏡の威力を痛感させられた天体です。
文:小宮山 裕(ハワイ観測所)