今週の一枚
原始星L1551-IRS5から吹き出している二重の高速ジェット
天体 | 原始星 L1551-IRS5(おうし座) |
---|---|
望遠鏡 | すばる望遠鏡 |
観測装置 | CISCO(近赤外線撮像分光器) |
波長 | Jバンド(1.25μm:緑色)、Kバンド(2.20μm:赤色) |
撮影日時 | 1999年1月14日(UT) |
著作権 | 国立天文台 |
今週の一枚
天体 | 原始星 L1551-IRS5(おうし座) |
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望遠鏡 | すばる望遠鏡 |
観測装置 | CISCO(近赤外線撮像分光器) |
波長 | Jバンド(1.25μm:緑色)、Kバンド(2.20μm:赤色) |
撮影日時 | 1999年1月14日(UT) |
著作権 | 国立天文台 |
深い分子雲に埋もれた低質量の原始星L1551-IRS5から吹き出している二重の高速ジェットをとらえた画像です。中心部の明るい部分から平行に細くコリメートされ、右下側に伸びた2つのジェットが明瞭に写し出されています。上側(北側)のジェットは、下側(南側)のジェットより3倍早く(秒速300キロメートル)、さらに異なる2種類のガス流が存在することが判明されました。つまり、二重の二重構造を持つジェットです。
速度構造と高分散分光観測
L1551-IRS5は初めて星から吹き出している双極分子流の存在が確定した歴史的な天体です。この画像はすばる望遠鏡の初期に活躍したCISCO(近赤外線撮像分光器)により撮影されたものですが、近赤外線の低分散分光観測により、2つのジェットは主に衝撃波によりイオン化した鉄の禁制線(Fe II)で強く光っていることがわかりました。さらに、ジェットの速度構造を明らかにするために鉄の禁制線に対する高分散分光観測がIRCS(近赤外線分光撮像装置)を用いて行われ、北側ジェットが二重の速度構造をもっていることが明らかになったのです。
文:Pyo, Tae-Soo(国立天文台ハワイ観測所)