自然科学研究機構 国立天文台

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古制蓮漏図「宣明暦」

貴重書・

古制蓮漏図「宣明暦」

画像は「宣明暦」内の漏刻(ろうこく)の図で、漏刻とは水時計のことです。「古制蓮漏図(こせいれんろうず)」という見出しで、下に中国での漏刻の歴史が記されています。黄帝が作ったと記されていますが、伝説の存在である黄帝の時代はさておき、少なくとも紀元前には中国に存在していたようです。

日本では、「日本書紀」に660年に中大兄皇子が初めて漏刻を作ったと記されています。そして671年に、中大兄皇子が即位して天智天皇になった後に、新しい台に漏刻を設置して、鐘鼓で時を告げたと記されています。現在の6月10日の「時の記念日」はこの日を基に定められました。

日本でかつて使われていた漏刻は、図等が残っておりませんのでその形は定かではありません。しかし、中国から輸入した知識を基に作られたので、形状もおそらく中国のものに似ていると思われます。漏刻は溜まっていく水の深さで時刻を計りますが、水面が低下するにつれ水流はおとろえるため、単純に穴から水を流しただけでは一定して時を計ることは困難です。図の漏刻では管になっていますが、実際にはサイフォンを用い、箱を4つに分けて水の落ちる速さをなるべく一定にするように工夫したようです。