自然科学研究機構 国立天文台

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散開星団「すばる」と木星が優しく見守るマウナケアの静夜

星景写真・

散開星団「すばる」と木星が優しく見守るマウナケアの静夜

生まれたばかりの熱く重い星々が、星形成の名残の星間物質をまとって輝く「すばる」は、冬の天の川が少し寂しい夜空でいちだんと目を惹きます。おうし座の角の上には、木星の輝きがまばゆいほど。北緯20度の夜空に高く上がるこの星々と、西に傾いた細い月に見守られ、すばる望遠鏡での観測が続いています。

すばるの星々に導かれて

2014年5月、ヒロ湾を出発した双胴の帆船ホクレア号とヒキアナリア号は、世界一周の旅のうち、まず太平洋の島々を巡っています。ホクレア号は星の並びや鳥、漂流してくる植物など自然の目印だけを頼りに、風と海のうねりや海流により航行する伝統的な航法を使っています。支援船のヒキアナリア号にはGPSなどの装置が積まれていますから、この2つの船の現在位置を私たちは詳細に知ることができます。

日本では六づら星、すばる、むりか星などと各地方で親しまれている「すばる」は、世界の各地でも古くから方角、季節や時刻の目印として使われて来ました。ハワイ島では夏のアークトゥルス(ハワイ名 ホクレア)と並び、ほぼ天頂を通過するため、この島の位置を知る目印となっています。

おうし座には「すばる」プレアデス星団の他にもヒアデス星団があり、地球から比較的近い距離にある星団として系外惑星研究の対象になっています。古くから人類が探検や生活の目印にしてきた星々が、宇宙探求も導いてくれているのです。

文:林 左絵子(国立天文台ハワイ観測所)